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悪魔に転生した俺は復讐を誓う  作者: 向笠 蒼維
第1章 地獄の道
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起きたら悪魔




……



……んー………



……ふぁああぁ………



……なんだか、随分と長いこと眠っていた気がする……



体が軽くて、頭の中がクリアになってる。

こんなに熟睡できたのは初めてだな。






……それにしても、部屋真っ暗だな。まだ夜なのか? いつもより寝てたと思うんだけどな……



……あれ? 何にも見えないのは変じゃないか?

いつもカーテン閉め切っているけど、まったく見えなくなるほど暗くならないし……



んー、というか、今、目開いているのか?

なんか、体の感覚が鈍くて、自分でもわからん。



とりあえず、瞼を開こうと意識してみる。

すると、ゆっくりと目に光が入りこんできた。

どうやら、目は閉じた状態だったようだ。



視界がぼやけているのか、光がゆらゆらと揺れているように見える。

まるで水中から水面を見上げた時のような光景だけど、ここ、俺の部屋か?



疑問と不安を感じつつ、目を凝らしてみた。

すると、目の前に天井が見える。


それを見て、ここが俺の部屋じゃないことを確信した。

俺の部屋の天井は木目だが、ここの天井は真っ白だ。


天井が光って揺れてるように見えるけど、俺の目がおかしいのか? なんか白い靄がゆらゆらしているような……





……まずは、現状把握が先か。


さっきから麻痺しているかのように感覚がないけど……

瞼は開いたし、体が動かなくなってるとかないよね? 大丈夫だよね……


そう考えると、一気に恐怖心が膨れ上がった。

必死に振り払おうとして、手を開いてみる。



開け、開けよ……おっ!



手に意識を集中させて開くよう念じていると、手の感覚が戻り、手を開いた状態だと分かった。

ゆっくりと手を握り、また開きを繰り返して、問題なく動くことを確認した。



良かった、手は大丈夫だ……。次は、足……



足の指に意識を向けて、握るよう意識してみる。

しかし、感覚が中々つかめずに、再度恐怖心を募らせる。



足動かないって、嘘だろ……?

動け、動けよ!!



先ほどよりも強く心の中で念じてみると、次第に感覚が戻ってきた。



……焦った……



一息ついて、今度は首を右に動かしてみる。首も意識を向けることでゆっくりと動かすことができた。

横を向いてみると、すぐ近くに壁があった。

もう少し首を動かすと、床も見えた。どうやら、石畳の上で寝ていたみたいだ。



……本当に、ここはどこなんだ?



そう思いながら床を眺めていると、体のすぐ近くに黒い物体があることに気づいた。

近すぎて全容は確認できない為、色しかわからない。


何だろうと思い、ゆっくりと左手を持ち上げてその物体を触ろうとした。

その時、真っ黒な手が目に映りこんだ。



うおぉ!



驚いて目を閉じ、持ち上げていた左手でその手を振り払おうとしたが、手ごたえはなかった。

恐る恐る目を開けると、先ほどの真っ黒な手は消えていた。


首を動かしても周りには誰もいない。



現状を把握しきれないまま、とにかく起き上がろうと上半身を持ち上げる。

すると、下半身が目に入る。



え……?



最初、ズボンと靴が黒いのかと思ったが、そうではないらしい。

黒い靄で包まれているように輪郭がはっきりとしていないが、体自体が真っ黒に染まっているようだ。



触ろうと、両手を足に向けて伸ばすと、先ほど見た真っ黒な腕が今度は2本視界に映る。



…………



思考が停止した中、無意識に体を触る。



……間違いなく、自分の体だ。



だか、その体は、人間のものではない。

真っ黒な体はまるで靄が固まって形を成しているようであり、大きな掌と足には鋭い爪が伸びている。

耳は先が尖っていて、よく漫画で見るエルフのような耳になっていた。


そして、頭にある2つの固い物体。頭から生えているそれは円錐で頭の上から額に向けて湾曲している。

見えてはいないが、角以外の答えはなかった。



今の自分の体を客観的に評価すると、一つの答えにたどり着く。










……俺、悪魔になっちゃった!?





本日から掲載開始しました。

楽しんで見て頂ければ幸いです。


(2019/08/15:誤記修正)

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