ついにサバイバル生活が始まりました。
今から数十年前…
「あらこんなところにフナムシがいると思ったらばみんなのしもべののミーナじゃない。まだ生きていたのね。そろそろ新しいしもべが欲しいから転生してくれないかしら?」
「ミルウス様そんなこと言われたらば非常に悲しいです。ところで今日はどんな用件で?」
(まな板、洗濯板、ミルウス板!いつか必ずその胸板で魚調理して生臭くしてやる)
「あぁそうそう。私の一番のお気に入りのムラサメが転生することになったんだけど、前世でも女遊びがひどくて私もヤキモチ焼いちゃうの嫌だから、男性にだけモテるスキルをつけてあげて。それ以外いらないから。」
随分極端なスキルだと思ったがちょっと面白そうなのでそれをつけてやる。
ついでに可哀想だから、男性のモテるスキル成長2倍も付与してあげた。
子孫を残せる可能性はゼロだけど、まぁいろいろ楽しめばいいよ。
確かミルウスに言われてあのスキルを渡した結果、男性にモテすぎて違う道に走らされることになり、ミルウスもリアルは汚すぎたとかって言って放置された転生者だ。
懐かしいな。あんなスキルでここまで来たって…。
さっき報告に来ていた男が赤くなっていたのはそういう意味か!!
触らぬ神にたたりなしである。
可哀想に完全にあっちで男の冒険者を上手く使ってここまで来たのだろう。
もう何も言えない。
「さぁさっさと封じて私を地上に落とすのだ!」
ムラサメは疑いながらも私の両手に赤い輪っかを取り付けていく。
手錠のような感じではなく、おしゃれなブレスレットのようだ。
爆発音が段々と近づいてくる。
「これでお前はもう人間と変わらない。むしろ魔法もスキルもすべて封印させてもらった。地上で苦しめ!俺達はここで終わりかも知れないが、それでも一矢報いてやった。ざまぁwww」
これで私も転生者の仲間入り。
なんか言っているけど気にしない。
もう二度とこんなブラックなところへは戻ってこないように頑張ろう。
そう思いながら段々と意識が遠のいていく。
すごく気持ちいい。快感♥
次に気が付くと身体が非常にだるくて重かった。
あたりを見渡す。
ものすごくキレイな海、そして白い砂浜。
思いっきり海に向かって力をこめて腕を振る。
「薙ぎ払え!」
シーーーーーーーーン。
静かに波の音だけが聞こえる。
ついに私は力を封印することができた。
やった。
ついにやった!
私は弱くて不合理で馬鹿でアホでどうしようもない人間になれた。
飛び跳ねるほどうれしかった。
次は何をしようか。
サバイバル?
まぁなんでもいいや。
一通りそのあとスキルと魔法が使えないのを確認する。
今まで覚えていたいろいろなスキルも魔法も本当に一切使えなくなっていた。
うん。いいね。
次はマジックボックスを取り出す。
これはスキルではなく私の持ち物なのでこの中に入っているものは干渉を受けない。
魔力がなくてもこれさえあれば大丈夫。
そう思い神器を取り出す。
ドカッ!!
重い!!
今まで知らず知らずのうちに筋力補正も行われていたらしい。
適当に入れていた道具のほとんどが重くて使いものにならなくなっている。
なんてことだ…。
こんな重い神器なんて使えない。
まずは使える神器をわけないといけないね。
ぐぅ〜〜〜〜〜。
盛大にお腹がなりだす。
地上に落ちて魔力が封じられた結果空腹にもなるようだ。
とりあえず、水と食料と寝床と後はゆっくり漫画でも読める環境を探そう。
そうして私の神器と過ごすサバイバル生活が始まった。