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自称チワワのフェンリンガあらわれた

私の後ろからでてきたのは大きな白い狼。

たしかあの魔物は、


『神獣フェンリン』


これはとんでもないのがでてきた。


「この首輪をくださったのはあなたですか?」

フェンリンは普通に私に話しかけてくる。

魔物の中でも上位の魔物では会話ができるものもいる。


「はい。すみません。サンダーウルフに襲われて助けが欲しくてですね。えっと神獣フェン…」

私がフェンリンと言おうとするとかぶせぎみで、

「私は愛くるしい姿が特徴のチワワです。」


??ハァ??


「えっとチワワにしては少し身体が…。」


「少しからだの大きいチワワです。」


「チワワにしては魔力が…。」

急に魔力量を押さえながら、


「少しだけ魔力量の多いチワワです。」

なんとしてもチワワにしたいらしい。


「それで、首輪をくださったということはあなたが飼い主ということでいんですよね?」

自称チワワは鼻息を荒くしながら私にせまってくる。

なんだこれ。答えはなに?

はいっていうのもおかしい気がするし、いいえと言っても死ぬ気がする。

答えを間違った時点で軽くオーバーキルで100回分くらい死ねる。

「飼い主ですよね?」

私は半分やけになりつつ、

「はい。」

と答えると嬉しそうにしながら

「屈折800年。ついに私も飼い犬になれた。やっぱり東の賢者が言っていたチワワ作戦が効いたのね。ありがとう東の賢者。あなたのことは忘れないわ。」

独り言のはずなのに声が大きすぎて普通に聞こえてくる。

まじでやばい。


先ほどからサンダーウルフたちはお座りの状態でしっぽを隠し震えながらこちらの様子を見ている。

逃げたくても逃げられないようだ。

一応サンダーウルフの方を見て聞いてみる。


「まだやる?」


サンダーウルフは首がとれてしまいそうなくらい左右に激しく振っている。

意外とこっちのいう事わかってくれているらしい。

「あら?チワワ相手に逃げちゃうの?ところで私のご主人様の手が怪我しているんだけど、誰がやったのかしら?」


そう聞くといっせいに首輪をつけられたサンダーウルフの方を前足でしめす。

警察官犯人はアイツです。そう言っているかのようだ。

こいつら群れで生活しているのに仲間を売るのに躊躇がまったくない。

自然かいの弱肉強食まじで怖い。


自称チワワは倒れていたスライムと私にヒールをかけてくれる。

ちなみにチワワというのは東の国の方に多い魔物で「魅了」を使える目の大きくて可愛い小型犬の魔物だ。この魔物は小さい割に魅了が使え、狼・犬の群れを仲間にするときに役立つ。

ただ、チワワを捕まえるのが大変で末端価格ではかなりの額で取引されている貴重な魔物だ。


「ご主人さま、それじゃあこのサンダーウルフは処刑ということでよろしいでしょうか?」

自称チワワはいきなり危ないことをいいだす。

呼び方ご主人様になってるし、サンダーウルフ処刑とかは可哀想すぎる。

私は慌ててとめる。


「イヤイヤ!殺すまではしなくていいから。チワワならば魅了が使えるはずだよね?それで仲間にすればいいと思う。君のおかげで怪我も治ったから大丈夫。」


「ご主人様がそうおっしゃるのであれば。ただ…魅了ですか。」


「あっ無理にはできなければ大丈夫だよ。」


「いえ、私にかかれば魅了などたやすいことです。なぁサンダーウルフ。」

そう言って自称チワワがサンダーウルフに魅了をかける。


サンダーウルフたちは自称チワワの目を見た瞬間泡を吹きながらバタバタと倒れだした。

私が恐る恐る見てみると、あの目は魅了じゃない。

目で殺す目だ。


唯一少し体格のいいサンダーウルフが最後に

「クゥ~ン。」

という鳴き声発し動かなくなった。


自称チワワは満足そうに私の方を向いて、

「どうですか?ご主人様?私の魅了にかかればメロメロすぎて目もあけられないくらいになりますよ。」


そう言ってウィンクをしてくる。

先ほど私を食べようとし首輪をつけられたサンダーウルフは私の後ろに隠れ頭を押さえながら小刻みに震えている。


うん。この自称チワワどうしよう。




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