遊ぼう! 1
「んで、何故に儂らを集めた?」
「遊びさッ!!」
勇気、涼、鼬、マーレ、ララ、太三郎、照。七人は食堂に集まって、大きい円テーブルに座っていた。勇気と照の声によってである。そうして今は、そのことに対して太三郎が怪訝を示したところである。それは無垢な表情をした照によって押さえられた。彼は本当に、遊びたくて遊びたくてしょうがない子供のような顔をしていた。
そんな彼を見て、他はため息を吐く。
「お主、本当に遊びたいだけなんじゃな」
「照さん、久しぶりに会うけど変わってないみたいね、マーレ」
「まったく。とんでもなく頭いいはずなのに、まだガキみたいね」
「言葉が強いよマーレ。照さんは……まあ、私の恩人でもあるし」
「目が逸れてるわよララ。変人だとは、思ってたんじゃない?」
「ほえぇ~。ま、俺は掃除じゃないなら何でもいいんだけどよ」
他はため息と言ったが、鼬は除いてだ。彼は勇気の声がかかるまで、ずっと太三郎の指示に従って掃除をしていたから、遊びと言われて喜んでついてきたものだ。そうして、笑みを浮かべて隣に座る勇気を小突く。
「面白いだろ、あの人」
どうやら、涼達は照と知り合いのようであった。どうやら定期的に彼、そしてタマという人物は妖館を訪れているようであったのだ。だから、照とタマは三人とは顔見知り……いや、親戚の叔父や叔母くらいの関係性ではあったらしいのだ。
「まあ、否定はしないが……」
勇気はふむぅと、首をひねった。それは、彼としてはいい人という印象が大きかったからだ。さっきの、テラスでの話。アレを受けて、すぐに面白い人、という見方には移れないだろう。
と、勇気がどっちつかずという具合で鼬に言うと、照が話を進める。
「まあまあ、疲れを抜くっていうのは大事な事でしょ? さて、何をしようかという話になるけど……そうだなぁ。最近の流行りに関してはよく分からないし……鼬」
「え」
「決めてよ、遊びの内容」
「……えぇッ! 言い出しっぺが決めといてくれよ……」
さっきまでニヤついていた鼬は、照に遊びの内容を決めろと言われてその笑みを飛ばす。そうして、半分緊張しているかのような表情をした。当然、七人がやる遊びを決めるのだから、重大責任である。
期待の目と、大丈夫なのかという目が彼一人に集まる。だれがどんな風な目をしていたかは、皆さんのご想像に。
しばらく、しばらく……そんなこともなく、結構すぐに鼬は結論を出す。
「トランプとウノ! 七人でやっても長続きするってなったら、これくらいだろ?」
安牌である。その結論に対して、皆は……
「なるほど、安牌を突いたって所ね」
「おもんな」
マーレと涼が、急に酷評を始めた。他の人が思っていたが、口にはしなかったことを、である。それを受けた鼬は、顔面を真っ赤にして二人に返す。
「うっ、うるせえっ! 安牌で何が悪いってんだ! 取ってくるからな!!」
そう言い放って、鼬は食堂をかけて出て行った。
「んじゃまあ、最初はババ抜きかなぁ」
鼬の持ってきたカードをシャッフルしながら、照はそう呟いた。その言葉に、場にいる皆はコクリと頷く。まあ、それ以外にも色々あるが、ともかくは安牌だろう。
だが、次の言葉に皆は素直に頷く訳にはいかなかった。
「じゃあ、最後に残った二人でさ。罰ゲームをつけようよ。二人になって、勝った方は負けた方の秘密をばらすっていう」
「…………ハッ?」
さりげなく放たれた照の言葉に、四人は疑問を露にする。……ん? 数が合っていない? そうだな。二人だけ、好戦的な性格の奴らがニヤついたからだ。
「へえ、面白いわね」
「秘密……考えておかないと」
涼とマーレである。彼女らはトランプとウノ、という案を出した鼬に強い言葉を投げかけた割に、楽しむ気満々のようであった。
そしてしばらく……
「畜生、どっちだ、どっちだぁ……」
「ア、アンタじゃ無理よ涼。大人しく、私に秘密を暴かれなさい」
結果、いきっていた二人が最後に残ることになっていた。二人は、相当に焦っているようである。黙っていれば美人な顔を、見る影もないほどに崩して脂汗をびっしりと白い肌に添えている。そんな二人を、太三郎と照は呆れた目で見る。
「あ奴ら……醜いの」
「何ともって感じだねぇ」
年長者達から見た、子供達への感想である。
そして所変わり、鼬は二人のことを涎を垂らして見ていた。
(マーレの秘密……涼、勝て、勝て……!)
非常に一般的な、青少年の反応である。
そしてまた所変わり、ララと勇気。二人は青い顔をして俯いていた。
(心読んだのバレなくてよかった……!!)
ともかく、楽しそうである。




