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予感

「じゃあな、三人共~!」


 放課後の時間、涼と鼬、マーレと琴音は学校から帰っていた。現在は、三人とは違う方向へ帰る琴音に、彼らが手を大きく振って別れの合図をしていたところだ。皆、笑顔であった。


 そうして、三人の目から琴音が消えた。通りの角を曲がったのだ。そうなるまで三人は琴音の方を向いて手を振っていたが、彼女が視界から消えると、次は三人で話し始めた。そうして、その足を妖館に向ける。その途中での話は……琴音の事ばかりであった。


「今日も寝てたな、琴音。疲れてんのか?」


「知らないわ。でもともかく、支えてあげないとね」


「っていうか、何で飯田はマーレのことは注意しないのに、琴音だけは注意するのかしらね」


「ん~、わっかんね。何でだろな?」


「私に惚れてるんじゃない?」


「なわけあるかッ!! ……ないッ!」








 


 そんな他愛のない話を続けてしばらく……


「しかし、今日はあんまり天気が良くないよな」


 話の途中、ふと、鼬は空を見上げて言った。彼の言葉を受けると、涼とマーレの二人も顔を上げる。

 空は、暗かった。雨が降るようではなかったが、太陽が見えない。厚く黒い雲に、その陽を覆われていたのだ。冬の空なのだから、あまり明るい時間でもなかったが……それにしてもだ。灰色の街並みに、その灰色の雲の光は深く刺さる。


「ま、私としてはありがたいわよ。にっくき日差しが見えない。最高」


「陰キャラみたいよ?」


「別にそんなんじゃないわよ。陰は好きだから、陰キャラかもしれないけど」


 涼とマーレはまた、他愛のない話を再開する。だが、どうしてもそんな気分にはなれなかったのだろう鼬は、空を見上げるのをやめると、少しだけ早歩きで妖館に向かい始めた。


「まあいい、早く帰ろうぜ。この分じゃあ、いつ雨降ってくるか分からないしよ」


 そう二人に告げて、その先を大股で歩き始める。涼とマーレは、そんな鼬の背を小走りで追いかけるのだった。


「ちょっと、歩くのが早いわよ鼬!」


「女子に歩幅を会わせることも出来ないの? そんなんじゃモテないわよ~?」


「マーレ!? おお、おっおお前に、そ、そんなこと言われる筋合いはねえ!!」


 三人は、少しの嫌な予感を胸に感じながらも、慌ただしく帰路につくのだった。

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