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それから 1

2部をまとめるためのパート。エピソードを小さくまとめた感じになっているので地の文少なめですが、申し訳ありません

 勇気とマーレが報復を終えた夜。その次の日からは良い天気が続いた。太陽が差すかのような、いいことが続いたのだ。









 夜にマーレと外に出た後の朝。勇気は起床する。ムニャムニャと……一応と時計を確認したその瞬間、彼は驚愕した。


「い、今六時半じゃないかッ! 弁当間に合わない!」


 ベッドから飛び出し、寝間着を吹っ飛ばして厨房へ。







「あれ、琴音……」


 勇気が厨房へ来てみれば、そこには琴音が。彼女は鍋をいじりながら勇気の方へと振り返り、


「ぐっすりみたいだったからな、私が作ってやったぜ!」


 と、ニカッと笑って見せた。そうする彼女の目の前には、四人分の弁当が。自分、涼、マーレ、鼬の四人の分だろう。加えて七人分の朝食。妖館の全員の分だ。それを見た勇気は、フッと力なく笑い、礼を言う。


「ふっ……ありがとうな」








「うぅ……眠い」


「シャキッとしろよマーレ! 私はこんなに元気だぜ!」


 また少しした後、妖館の玄関では琴音とマーレが先に準備を整えていた。マーレは昨日の事もあって気だるげに、反して琴音は元気そうに。

 そんな風に二人がいると、階段から涼と鼬が下りてくる。


「おーいマーレ、琴音~」


「もう二人共、充分大丈夫みたいね」


「おっ、涼に鼬。おはような!」


 涼と鼬が声をかけてくるのに対し、琴音が元気に応対する。マーレは静かに手だけを上げて応対。二人の返事に対して、涼と鼬も笑顔で応えた。

 だが、琴音はまだまだ元気が残っているようだ。それでいて、涼の方へ駆け寄る。


「涼、ありがとうな。制服かしてくれて」


「ん、大丈夫よ。そのくらい、全然何ともないわ」


 どうやら、琴音は礼が言いたいらしかった。制服をかしてくれてありがとうと。

 しかし、琴音は余計な言葉を言ってしまう。制服の、得に胸の辺りを気にしてぼやくのだ。


「ありがとよ……。でも、ちょっと小さいんだよな……特に、胸の辺りがきつくて……」


「あっ? 今なんか言った?」


「へ? む、胸の辺りが……」


「ああんッ!!?」


「何でもありませんッ!!」


 他愛のない話を笑顔でできるほど、琴音は回復していた。









「それじゃあな、四人共」


「ふわーぁ。いってらっさ~いぃ……」


「お前はもう少し早く起きろララ」


「いだっ。もうぅ……」


 学校に向かう四人を送る際中、勇気は正にその時に起きてきたララの頭を小突いた。早く起きろ、と。頭をポンと叩かれたララは、むぅ~と声を上げて勇気に向かう。


「勇気はこだわり過ぎだよぉ~」


「うるさい。それにな……お前、寝ぐせ……なのか? すごいぞ」


 勇気はララの愚痴に対して、ドン引きした目で応える。それは、彼女の頭の状態が大きく関係していた。ララの頭、特に彼女の美しい金髪が、まるで静電気に引っ張られたように全て上へ逆立っていたのである。


「ああ、これ? 大丈夫だよ……ほら」


 だが、勇気の動揺に反してララは落ち着いていた。だがどう見ても大丈夫ではない。ハリネズミみたいだ。勇気はそれにどうしても目を向けてしまう。

 それを鬱陶しく思ったのだろうか、ララは自分の髪にフッと、優しく触れた。すると……


「うわっ、すげえ……」


 ララの逆立っていた髪が、全て通常の状態までフワッと戻る。まるで、彼女の意志の通りに動いているかのように。

 それを見た勇気は驚いてララを見る。


「髪、自由に動かせるようになってたのか?」


「うん。まあ、あの時みたくは行かないけどね。あれは、君のことが心配で心配でたまらなかったからこその力だから」


「そうか……」


 ララの髪は、前にも説明したかもしれないがあまり意思の通りに動くものではない。彼女も言ったが、勇気と会った時は激情に動かされていたからこそのもの、通常時はピクリとも動かなかったのだ。それが、動くようになったのを見て勇気は驚いたのだった。


「出来ることが増えるのはいいことだな」


「うん、そうだね。寝坊しても……」


「駄目だ」


「む…………手ごわい」


 勇気が感心する隙を突いてララは自分の寝坊を許してもらおうとするが、そんなことを見逃す彼ではないのであった。

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