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始まりを誘う終わり

どうも、井田薫です。面倒な云々は後書きで、今は少しでも早く、私の作品を見てもらいたい


一応、書いておきます。これは前書きじゃないとダメなので。結構ストレスを感じる表現があるかもしれません。ご注意をば

 一陣、冬の風が吹く。人の肌を刺すような温度のそれは、彼のもとにも通り抜けて行く。


 彼、小さい池の、寂れた桟橋の先端に立つ少年である。彼は絶望をするでもなく、打ちひしがれるでもなく、辺りの灰色と茶色の混在した景色を眺める。


 どこまでも、茶色の落ち葉と髪の抜けた木が目立つ。それを越してみても、見えるのは灰色の街並み。そこには、活発な色というのは存在しなかった。


 そんな景色を眺めながら、少年は頭を抱える。

 彼が見ていたのは灰色の街並みだろうか。それとも、枯れ果てる冬の木どもだろうか。


 ともかく、彼は期待していたのだ。これから自分のとる行動に。


「……何故だろうな、全く怖くない」


 少年のつぶやいた言葉が、黒の池に落ちて波紋を起こす。小さく、小さく、小さく……どこにも届きはしない。それを知って、自分のみで噛み締めようと思ったのか、それとも知らずに誰かとその意思を共有しようとしてか、分からないが彼はまた口を開いて語り始めた。


「ああ、こんなにも……こんなにも、希望はない。世界、いいや人には、全く希望がない。ここからでも聞こえてくる、お前達の“心の声”が。殴りたい、殺したい、消えればいい、憎い。……どれも、同じだ」


 少年の耳には、ことごとく、悪意しか入ってこない。耳を塞いでもそれは消えない。そのことを了解していた少年は息を吐いて、元から実行しようとしていたことに取り掛かる。


「生まれ変わるとしたら、何がいいだろう。……風に、風になりたい」


 少年は一歩、桟橋の上から池へと踏み出し、くうに足をついた。


「少なくとも、人間以外の、醜悪しゅうあくな人間以外の何かに……」


 体が浮く。


「まあ、生まれ変わらなくてもいい。ただ、人でいたくないだけなんだから」


 体が完全に、池の水面と平行になる。


「恐怖はない。ただただ、期待だけだ」


 水に全身が浸かった。


(悔いは……ない。あるわけもない)







 そうしてその少年、神崎勇気かんざきゆうき入水じゅすいおこなった。入水とはていに言うと、自殺のことである。

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