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冬馬君の冬休み   作者: だかずお
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賑やかな冬馬家



〜 賑やかな冬馬家 〜



「お昼出前でもとりましょうか?」

正子の提案だった


みなは大賛成でお寿司をとることにした さっそく正子は出前を頼み

寒い寒いとコタツに戻ってきた。


二階の子供達はクリスマスプレゼントがよっぽど気に入ったのかいっこうに降りてこない


コタツではイビキをかいてバアちゃんが眠っている


これは素晴らしいチャンスと隆も安心して、眠りにつけると微笑んだ

コタツの中で目をつむった、あーこの瞬間たまらん。

心の中でガッツポーズを決めた隆であった。



二階ではクリスマスプレゼントで子供達は夢中に遊んでいたが、

昨日夜中まで起きてたのと

この寒い季節のあったかい布団のなかということもあってか、みなウトウトし始めた。


多網も今にも眠りそうな表情になっている、大喜はオモチャを持ったまま眠っていた

冬馬君も、もういつでも眠れる状態

五分後にはみんな夢の中だった。



下では気づけば正子も眠り

冬馬家 大冬眠である



家の中はバアちゃんのイビキだけが鳴り響いていた



ピンポーン


一番にその音で目をさましたのはバアちゃんだった


「誰や、こんな夜中に」

真昼間である


バアちゃんはなぜだか夜中と勘違いしている


ピンポン


「こんな夜中に眠れないじゃ」


ピンポン


しわくちゃだらけの眉間に三本のしわが追加された



ガチャ


玄関を開けた配達のお兄さんは腰を抜かした


何故なら、両手をあげたしわくちゃの

オラウータン いっいやバアさんが

顔を真っ赤にして怒っていたからである、あまりの怒りの勢いで口からは入れ歯がピョンととびだしていった


正子がチャイムの音に気が付いたのか急いで玄関に飛び出して来た


「すみません」


バアちゃんは怒りがおさまったのか、入れ歯を拾い上げてまたコタツにすぐさま戻って行った



寿司はとどいたが、誰一人として起きて食べようとしなかった

眠気の勝利である



バアちゃん、隆はぐうすか


二階の子供達もスヤスヤ


何だか正子も眠くなり寝てしまった


また静かになった冬馬家であった。


ぐうすかぴー



正子は目を覚まして驚いた

もう夜の20時になっていたからである


「えー嘘?」

驚きであった


子供達を起こし、みんなで夕飯のお寿司を食べ始めた


「いつの間にとってたのさすがー」

と大喜


正子は苦笑いを浮かべて食べている


夕食を済ませ、子供達は風呂に入った


「冬のお風呂に浸かるのは最高」


三人は風呂の中でも上機嫌で遊んでいた。


「今日は早く寝て明日ちゃんと起きなきゃだめよ」と正子が言った


「まだ全然眠くないよ」と冬馬君


「そうだバアちゃん怖い話して」


バアちゃんは笑った


「言ったね 言ったね、わしの話はおっかないよ」


そのことばに子供達はさらに興奮を募らせた、「じゃ二階に行こう」と冬馬君達はバアちゃんを案内した


今日は冬馬君の部屋にバアちゃんも一緒に眠ることになった


「じゃあ電気を真っ暗にして」大喜もノリノリだ



多網がさっそく電気を消しバアちゃんの怖い話が始まった



子供達は布団にもぐり、みんなくっついて話を聴いている。


「あれは忘れもしない、昔バアちゃんが二十歳くらいの頃じゃったかな?

あれ子供の頃じゃったっけか?」


もう忘れていた。



「あっ、そうそう子供の頃じゃった

か夜家にひとり帰ってる途中じゃった。近くのお墓を横切って家に帰ると近いから

わしゃはその墓を歩いとったんじゃ」


子供達は話をきいていて、その話は確実に二十歳の時だろうと思っていた

が誰ひとりつっこまなかった。


「突然うう~っ」


子供達は皆でよりあった


「音はおおきくなりガサガサという音が突然真横できこえたんじゃ、するととつぜんわあっ」


「見ると近所のサトウ君がわしを驚かしたんじゃ、あれは怖かった」


子供達は「ええーっバアちゃんそんなの全然怖くないよ」


「わしゃ怖かったんじゃ」


すると大喜が「今度は僕が」


「前に部屋に夜一人でいるとき、

ガサゴソ音がしたから足元を見たらネズミがいたんだ、でも何やら他の気配を感じて、はっと横をみるとそこにうっすらとした人影が立ってたんだ


「ひぃーっ」冬馬君はこわがっていた


するとバアちゃんが

「そりゃこわいのう足元にネズミいたんか」


多網も、そのネズミのとこで目を見開き驚いていた


いや・・・ちょっとおかしいでしょ。


大喜は少し腑に落ちない顔を浮かべていた



二時間後、子供達はみんな下に降りてきていた


ビックリした隆が「どうした?」と

きいた



「二階に怪物がでた」



「えっ?」


驚いて覗きにいくと怪獣も真っ青と言わんばかりの大口をあけ、ガーガーイビキをかいてる怪物がそこにいた


隆は笑ってしまった。


その日は子供達はリビングで眠ったのであった


二階に怪物出現

まさにこわい話になってしまった

冬の夜であった。


その日一日中 怪獣の鳴き声は鳴り止むことはなかったとさ。




つづく


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