化けきみ子出陣
〜 化けきみ子出陣 〜
車は婆ちゃん家に帰ってきた。
時刻は20時をまわったばかりだ。
車から降りて
爺ちゃんが「空を見上げてご覧」
「うわぁー」みんなは感動した
綺麗な星空
「癒やされるじゃろ」と婆ちゃん
星空を眺めると何とも神秘的な気持ちになる 懐かしいような不思議な気持ち
遠い故郷を思い出す そんな気分だ。
みんなはしばらく星空に魅入っていた
「うちのほうじゃこんな綺麗に見れないわね」と正子
冬馬君は星空があまりに綺麗なので
嬉しくなり 身体が勝手に動き踊ってしまうほど 自分でも驚いたほど感動していた。
みんなもジッと星空をみている
本当に素敵な星空だった
心落ちつく 素晴らしいひと時。
「寒いからそろそろ入るかい」
婆ちゃんは家に入った
「さっみんな入ろう」と隆
冬馬君は「もう少しいる」
「僕も」と大喜
結局子供達はみんな外に
「本当に綺麗だね」きみ子が言った
多網もこくり
「あーこの旅行いろいろ新鮮な気持ちになれたなぁ」きみ子は大の字に寝っ転がった
みんなも、外はさすがに寒かったが
まだしばらく星を眺めていたいそんな気持ち
みんなで地べたに座ったり寝っ転がりながら星を見上げていた
「あー最高の旅行だったな」
冬馬君は星に語る様につぶやいた
みんなもうなずいた「楽しかった」
子供達は見慣れない星空によっぽど感動したのか、まだしばらく眺めていた
家に入ると「あーやっぱあったかい」
そのまま、自分たちの寝てる和室部屋にGO 寝巻きに着替え布団に飛び乗った。やはり明るい電気の下、暖かい部屋の中は和む、そして心落ちつく。
「この瞬間最高」ニッコリ冬馬君達
「今日ももちろん」と大喜
つづいてみんなは叫んだ
「夜中の語り合い 遊び」
まだまだ元気な子供達
「寒い外からこのあったかい布団の中
ぬくぬく瞬間たまらんね」と冬馬君は笑った。
大喜も「この部屋、そしてみんなで過ごすこの夜の時間 落ちつくんだよなぁ」
珍しく多網がテレビをつけた
偶然映ったテレビ番組はドッキリ番組だった みんなは笑いながらみていた。
中でも面白かったのが幽霊ドッキリ
みんなはゲラゲラお腹をかかえ大笑い
旅先でみるテレビ
これも意外に思い出に残ってたりする
きみ子がトイレに行った瞬間
多網がぽつり「きみ子幽霊ドッキリやろう」さっそく提案した。
「やろう、やろう」
みんなは作戦をねり始め
きみ子が部屋に戻ってきたら、みんなで話を合わせて幽霊が部屋にいるように思わせ、最後はこれっ
じゃーん、冬馬君がカバンから取り出したのは変な馬のお面 「あっこのお面懐かしい」と大喜
作戦決行!!
ぶりぶりぶり~っ
「ひゅー食べ放題まだ行ける」
トイレの中、きみ子は独りでつぶやいていた「ああ、今からあの場所に行けたらな、また食べられるのに うーあの肉」
きみ子は地団駄を踏んだ。
あんだけ満腹だったのにもういまやお腹は空き あの場所が恋しかった。
部屋では、きみ はよこい と三人は楽しみでしょうがない。
そしてきみ子は部屋に戻った
電気は真っ暗
みんなは話をしている
「何何?なんの話?」
興味津々 布団に入った きみ子 あーぬくい
「いやあ、多網がなんか変な影みたって」
「えっ? ちょっと嘘でしょ」
きみ子は布団を肩までかぶった
「気のせい気のせい」
その時、突然驚いた表情をした冬馬君
きみ子はその表情を見てビックリ「なに、なになによ? 羊?」
何故に羊?
意味はわからなかった。
「なんか今きみ子の後ろで動いた」
「ひいぃぃいーっ」きみ子はビックリして後ろを振り向いた、「なんもいないよ」
大喜は布団の中で笑っていた。
ガタガタがた ナイスタイミングで風が雨戸に
「ちょっと不気味ね」きみ子はもう些細なことでビックリしはじめた。
布団の中に冬馬君ももぐり、大喜とともにばれないように顔を見合わせて大笑い
そして多網が名演技「あ あ ああ」
「どうしたの?」ときみ子
一瞬 冬馬君も演技だよね?と怖くなったほど
「なんか、お化けにとりつかれたんじゃない?」と大喜が
「うううっ」とつぶやいたきみ子は何を思ったか突然部屋から出て行った
みんなは大爆笑
さて戻ってきた瞬間驚かそう
お面をかぶり スタンバイする冬馬君
みんなはもう 待ちきれない 楽しみだ
。
しかしきみ子は逃げたのではなかった
お化けが出たと思ったきみ子は自分が
お化けを驚かし部屋から追い出そうと準備をしていたのだった。
婆さんになぜかタオルを借りそれを頭に巻き、なんとお化けを驚かすためにマジックで顔に世にも恐ろしいメイクを。
「うおっしゃーあああーいくでー待ってろよ」
こりゃあ お化けも一瞬でKOするだろう出来だった。
さらに手には塩 さらに婆さんの入れ歯パック君まで借りてる始末 これはまさに鬼に金棒である 入れ歯のパック君までも味方につけるとは。
「きしゃああああー」化けきみ子は
ものすごいスピードで皆の居る部屋に向かって行った。
きた きた 足音をきいたみんなは笑いがこらえきれない 入り口のところにスタンバイする冬馬君「ビックリさせるぞー」
そして 奴はきたり
ガラッ
「もう大丈夫だぞ」
そのかけ声とともに
「わあっ!!」冬馬君は驚かそうと声をだした
が目の前に見たこともない想像を絶した化け物が・・・
「うがあああっ」
冬馬君は転んだ
そう生まれてはじめてずっ転んだのである
なんだこりゃ すさまじい威圧感
大喜も多網もあまりの恐怖に布団にもぐって目をそらした。
「お前かお化けは」と冬馬君は四の地固めをくらっている 頭にはパックが噛み付いている 地獄
「お前かお化けは!」
だが、誰の目から見てもお化けは四の地固め決めてるまさにあんただった。
恐るべしきみ子
お面を外した冬馬君「もう大丈夫だよ」
まだパックはお面にくっついている
やはりパック奴もまたやばい。
「ふゅー良かったこれで安心だ」と告げると
きみ子はそのままメイクを落としに部屋から出た。
直後「ぎゃあああああお化け」と正子の悲鳴が ズデン
みんなは布団にくるまり、そりゃああなるよ、遭遇してしまったかとつぶやいた。
冬馬君の頭には未知との遭遇という映画のタイトルがなぜか浮かんだ。
恐るべしきみちゃん。
彼女は幽霊よりも怖かった。
メイクを落とし戻ったきみ子は
「いやーお化け怖かった?もう大丈夫」
もし、きみ子がドッキリをはめる側で
あの姿でおどろかされたら多分 死ぬんではなかろうか?と誰もが想像していた。こないだの夜に気がついた筈なのにやってしまった。
時刻は23時を過ぎていた
みんなは静かである
冬馬君は切ない気持ちでいっぱいだった。
なぜなら
本当に明日が最後の一日
この和室ともお別れ
この場所ともお別れ
何よりもみんなとお別れ
みんなどことなく寂しそうだった。
もうこの夜の時間もいよいよ明日が最後だ 本当にこの楽しい旅行がついに終わりを迎える時がきてしまった。
冬馬君はなんとも言えない気分でうす暗い部屋の天井を見上げた
横をみれば三人の姿が
外からは爺ちゃんと隆の声
この環境も、もうお終い
本当に帰るんだ
冬馬君は何だか泣きそうになった
虫達の鳴き声はそんな冬馬君を励ますようにもきこえた。
みんなはどう思ってるんだろうか?
きっと 寂しいだろう。
いよいよ明日は婆ちゃん家
で過ごす実質最後のような一日
明後日の朝早くに帰るんだ。
その日はなぜかあまりみんな語らず
そのまま寝てしまった。
きっと起きてたけど どうしてだろう
みんな口をひらかなかった。
誰もがこの旅行の終わりが近いことを感じていた、いよいよ帰る実感がわきはじめてきていた。
もう冬休みも終わりに近い。
つづく




