夜中の不思議な出来事
〜 夜中の不思議な出来事〜
婆ちゃん家に戻った頃には22時を過ぎていた。
「あーカラオケ面白かった」
子供達はまだフアィ フアィ言って盛り上がっている。
「さて、隆君も飲みたいだろう、一杯やるか?」
「待ってました」
爺ちゃん達は乾杯をはじめた。
「僕たちもまだ起きて遊んでる」
冬馬君達もまだまだ眠くない
「みんなは、もう遅いんだからねなさい!!」正子の一言
「えーっ!!」
「まあまあ、正子 そんな事言ったって
子供達もみんな集まって爺ちゃん家に来てるのに、もう眠れなんて無理だよなぁ」爺ちゃんは酔っ払いつつ、子供達の気を汲んでくれた。
「それに、正子今楽しまないでいつ楽しむんじゃい?明日かい? 今行くジョイ!!」婆ちゃんはフアィポーズをして言い放った。
すごい、婆さんだ。
子供達は「婆ちゃん、爺ちゃん最高」
と言い飛び跳ねた ぴょ~ん しゃー!
「じゃあ少しだけよ」
「あっそうだ」爺ちゃんは立ち上がりロウソクに火をつけた。
「おいで」ウィスキーグラスとロウソクを持ち爺ちゃんは外に出た。
今朝つくったかまくらの天井を何カ所か開け、中にロウソクを灯した。
かまくらから光が解き放たれ、夜の暗闇を明るく照らし輝いている
「わあっ!!きれい」
子供達も爺ちゃんの真似してグラスにジュースを持ちかまくらに走って入りはじめた。
「乾杯」 カツん
ゴクゴク ゴク ぷはーっ「最高」
隆も外に出てきて、ビールのみながらかまくらを眺めていた。
さすがに外は寒いけど、これは良いなあ。かまくらの中で飲む飲み物もこりゃまた格別な味がする。
みんなご機嫌である。
それを家の中から見てる正子も婆ちゃんも嬉しそうだった。
ほんわか、のほほん みんなお互いが大切で大好きなんだ、冬馬君はジュースを口に含み、愛って良いなぁ、絆って
良いなぁ。
そんなことを考えていた。
一生忘れない思い出だろう。
日々の何気ないやりとり
こういう旅行の記憶。
大切な宝物。
さすがに外は寒かったので、皆はすぐに家に入った。
かまくらの横には全然寒くないよと言ってる様な表情を浮かべ元気な雪だるま君がニッコリ笑っていた。
「あー家の中はあったかい、かまくら最高だったね」冬馬君は今回がはじめてのかまくらに感動している。
子供達は満足したのか?眠くなったのか?おとなしく自分たちの部屋に戻って行った。
「おやすみー」
あらっ?素直ね、きっと眠くなったんだわ。
だが、そうではなかった。
布団の中で遊びたかったのだ
子供達の夜の時間が再びはじまった。
「やっぱ、この時間ワクワクするね、
子供達のナイトタイムだ」冬馬君は布団に入った
「確かにこの時間大好きだ」大喜もすぐさま布団に入った
「この部屋すでに自分達の部屋みたいでおちつくね」冬馬君はニコニコである。
この和室の部屋はすでに自分たちの基地のように、子供達の気持ちをまたリラックスさせる。そしてこの時間帯も
「あは、たまらん」きみ子もこの時間帯が好きなようだ。
子供達の夜の自由時間。
みんな布団に入り、電気を消した。
もちろん、みんなまだまだ眠る気はまったくない。
「寒い、寒い」布団に入った瞬間、布団の中は冷たい、あったまるまで体を動かさず固まっていた。
「いよいよ、明日大晦日楽しみだ」
大喜が言った。
「甘酒 甘酒」多網がキャッキャしてる
時刻は0時をまわる頃。
みんなで布団の中で今宵も寝ずに起きて話してる
やっぱり、この時間は気分をとてもウキウキさせる。
仲いい友達どうしで旅行に行って夜には枕投げをしたり、寝ないで一晩中語り合う、ああ言う心境だろう。
しかし、朝はやかったからか少し眠くもある冬馬君だった。
眠い中、耳を澄ませばみんなの話声がきこえる、最高の子守唄のようだ。
布団に入り、これを聴きながら眠りにつける、これも至福だ。
「おいっ冬馬起きてる?」隣の大喜が体を揺らし目が覚めた。
「あっ」どうやら一瞬寝ていたようだ。
「きみ子怖い話してよ」とすかさず大喜が
「いいねそれ」冬馬君の目もいっきに覚めた
多網も「ききたい」とニンマリ
「知らないよ、知らないよ、本当に怖いよ」きみ子は話す気満々だ。
「はやく~」みんなは身体を寄せはじめ聴く準備万端
「これ、本当の話ね、私が小学校三年生の時」
「ひゃー始まった」冬馬君達は笑いながら顔を見合わせた。
「自分がはなすの結構怖いね」きみ子は自分で語るのが怖いよう。
「ちょっと良い?」
「プリッ、これでいいや」
屁をかました、きみ子は再び語りはじめた。
これで恐怖がなくなる道理はまるで分からなかったが きみ子の顔はすかしている。
「3年生の頃、私の友達の虎鮫代ちゃんのうちに泊まりに行ったの」
何よりもその名前が怖かったが。
「それでその時も、こんな感じで話してたのよ怖い話、虎鮫代ちゃんが話終えた後」
冬馬君はその、とらさめよたる名前の女が一体どれほどの話をしたのかが異様に気になっていた。
これは、冬馬君に限ったことではなかった、大喜もこの、とらさめよちゃんと言う、謎の名前の人物のが気になっている。
「私、虎鮫代ちゃんの話が怖すぎて、
すぐに電気をつけたの そしたら部屋のすみに女が立ってるの見たの」
「ひいいぃいいーっ」
みんなは布団にもぐった、冬馬君と大喜は同じ布団にくるまっていた。
「私ビックリして凄まじい屁かましちゃったの、そしたらよっぽど臭かったのね、アハハ
その女が一瞬立ちくらみしたのか、膝をついてね、そのすきに鮫虎代がお経唱えたら怯える様にして消えちゃったの アハハ」
アハハじゃない。
何とも可哀想な幽霊だった。きみ子と鮫虎代なる豪傑の前に姿を表してしまったのだ、きっと出るとこを間違えたのであろう。その幽霊を冬馬君達は哀れんだ。
それにしても虎鮫代 三年生にして幽霊でて即お経を唱えるなんてやはりただものじゃない。
怖いのは幽霊ではなく、この二匹だった。
とらさめよ ちゃん いつか会ってみたい。この豪傑共と遊んだら、何かが起こるのは言うまでもなかった。
ピッテレビがついた、「あっ!!」
多網がまたも昨日の心霊DVDを
「ひいいぃい」みんなは布団にもぐった。
「吹雪ー吹雪 吹雪だーっ」
でたー来たー吹雪ごっこだあ。
多網はみんなの布団をはぎとりはじめた、みんなは布団を持っていかれない様に必死にしがみつく
今布団を持っていかれたら、怖すぎる
バッ!!布団をはぎとられた大喜がいない?
あれっ?
多網が布団の下を見ても、何処にも見当たらない。
「あっ!!」
みの虫のごとく
布団の裏にに引っ付いてる大喜がいた。
それが キングコングのツボに入った
ズキャン 快心の一撃だ
「どほほほほほぶくっふははは」
きみ子は腹をかかえひっくり返って笑っている
「布団の裏ひっつくって ひぃーひぃーひひひひ、お前は とらさめよちゃんか
」
えっ?虎鮫代ちゃんはそんなことするのか?まさかここに来て一番すごく気になる存在
その時、多網はハッとした顔をした
「とらさめよ」何かを思い出したのか
?
「あの三人組の一人」多網はカッと目を開いて驚いていた。
多網ときみ子は同じ小学校である。
「三人組?」すかさず、気になった冬馬君はつっこんだ。
「きみ子、がその三人と揃うとヤバイ
」とポツリ 多網
「えっ?何だそれすごい気になる」
と大喜も
「きみ子、虎鮫代、 もう一人名前忘れた」
「ああ、蛇鰐美のこと?」
とらさめよ、と来て へびわにみ
名前からしてもうやばい。
この三人集にはとりあえず絡まないでおこうと心に誓った冬馬君と大喜であった。
「きみ子に虎鮫代に蛇鰐美」
名前だけですでに威圧感ビリビリである。多網の額からすでに一粒の汗が垂れていた。
「あの二人もわたしに似て、控えめなとこもあるから」
どこがだ。 心の中で見事につっこんだ。冬馬君と大喜。
多網は心を察したかプクフッとほくそ笑んだ。
その時、一瞬忘れてたがテレビから
「ご覧いただきたい、それがこの映画である」
「ぎゃー」みんなは布団にもぐりこんだ。やはり昨日観てもこわかった。
結局、布団にもぐりながらみんなで最後までまたビデオを観てしまった。
「あー怖かった」
「うんうん特に最後のやつ」
時刻は一時過ぎ
真夜中だ、風もなく 静かな夜だった
DVDを消して、寝ながら話をしていた
みんなまだ、起きてるがそろそろ眠りにつきそう
「そういえばDVD観てた時はきこえた爺ちゃん達の声きこえなくなったね」
アクビをしながら冬馬君がつぶやいた
「もう寝たのかもね」ときみ子
大喜もうっとりしている、大アクビ中だ。
多網は鼻くそをほじっている
そんな時だった
「コン」雨戸の外で何かが雨戸を叩いたような音が
「今気のせいだよね」と大喜
「何か音したよね」と冬馬君
多網やきみ子には聴こえていなかったらしい 「えっ?本当!」
冬馬君達も何かが雨戸にあたったんだろうと思って、布団の中にもぐりホクホクあたたかくってニッコリ笑顔。
その時「とんっ とんっ」
「えっ?私にも聴こえた」
とビックリしたきみ子
「うん」とポツリ多網
みんなは布団にもぐった
「一体何?」実際ひとりでこのシチュエーションだったらかなり怖いがみんないる部屋少しは安心だ。
ちょっとウキウキもしたけどやっぱ怖い。
またっ「こんっ」
「ひいーいいいいいっ」
みんなは身体を寄せ集めた
「まさか おばけ ?」
「こんな真夜中にどこの誰がノックする」ときみ子
「やっぱり?ひぃぃぃぃ」
端っこで寝てる、きみ子と冬馬君は横のスペースが異様に気になった
内側の多網、大喜は両端に人がいるから少し安心。
そんな中、再び「コンコン」
「うわあっ」みんなは怖くなり、顔も布団にもぐった。
「何あの音?」 「こんな夜中におかしいよ」
みんなで布団の中で会議をしている
しばらく音はならなかった
みんなは布団をかぶりながら暖かくなってきたので、だんだんと眠くなってきた、多網は眠った、冬馬君も何だかうっとりしてきた。
その時
「コンコン」
「やっぱりきこえるよ!」冬馬君は一瞬で目が覚めた。
大喜ときみ子もビックリしている
多網も冬馬君の声に目をあけ
「雨戸の外見てみようか」と。
しかしみんな怖くて布団から出ようとしない
「じゃんけんで負けた人が雨戸あけるのは?」ときみ子
「ひいいいい、絶対に負けたくないじゃんけんだ!!」
「じゃん けん ポン」
負けたのは大喜だった
「本気?これは危ないんじゃない?」
大喜はかなりびびっている、が外は今シーンとしてたので立ち上がった。
さすがにこれは怖い。
みんなは布団にもぐりながら見ている
。
大喜が雨戸に手をかけた時
それは再び起こった
「コンコン」ひぃーぃっ!!
大喜はすぐさま布団の中に
「これは開けないほうがいいよ」
「そうだね」
みんなは布団の中にもぐりながら
しばらく会議をしていた
「あの音何?」「確かに何かがぶつかってるか、ノックしてる音がする
」布団にもぐってあったかかったが
鳥肌が立っている。
冬馬君はとりあえず、みんなが眠るより先に寝てしまおうといつもとは逆バージョンになっていた。
この中で一人最後まで起きてるのはこわそうだからだ。
みんなそう考えては、やけにくだらないことを質問したりしては会話が続いていた。
「パンはクリームとチョコどっちが好き?」 「ワサビってからいよね」
気付けば多網が寝ている。
寝かすかと言わんばかりにきみ子はこいた「ブリッ」
あまりの匂いにみんなもぐってた布団から顔をいっせいにだし
きみ子が一言「意外にくさいへこいちゃった」
しーんとする真夜中
あの物音はもうしない
「一体何だったんだろう?」
みんなは、ビビりながら布団に入っていた。
時間は過ぎていく。
だんだん話声もなくなり、みんな眠りについていた。
そんな中、まさか目を覚ましてしまった女がいた、そうきみ子だ。
あっトイレ行きたい。
行こうと思って立ち上がった時、先ほど観たDVDのお化けの顔を思い出してしまった「絶対無理ひとりで行くなんて」しかし連れションはきみ子のプライドが許さないのか誰も起こそうとしなかった。
きみ子は我慢して眠りにつく事にした
。「うーはやく朝になれー」
チュンチュン チュン
朝がきた
冬馬君は目を覚ました
「今何時だろう?」
時刻は9時を過ぎたとこだ。
「しかし昨日の音なんだったんだろう
?」
きみ子は目を覚ましたと同時に鉄砲玉のようにピューんと部屋から飛び出して行った。
どうやら漏らさずにすんだらしい。
結局昨日の音は何だか分からずじまいでした。
不思議な体験
一体何だったんだろ?
謎のまま 終わってしまった。
不思議なことはあるんだなぁ。
子供達は朝方布団に入りながらそんな話をしていました。
「これ僕達の体験した不思議な話だね」
と大喜。
みんなは頷いた。
結局なにが起こったのかは分からずじまいだったけど、これもまた良い旅の思い出になった。
さて今日はついに大晦日
どんなことが待っているんだろう?
みんなの旅行はまだ続く。
つづく




