みんなで過ごす婆ちゃん家の夜
〜 みんなで過ごす婆ちゃん家の夜 〜
婆ちゃん家の中は、何だか懐かしい匂いがした。
「じゃ子供はこの部屋で寝るか!」
爺ちゃんは子供達が寝る部屋を案内してくれた。
子供達みんなが布団を敷いてもまだスペースがあるくらいの和室の部屋でテレビが一台それに暖房がついている部屋だった。
「ねえねえ見てよ、DVD観れるよ、結構新しい物好きだね爺ちゃん」と冬馬君
「ひゅー最高」きみ子のテンションはあがっていた。
もちろん大喜、多網も。
「布団は押入れに入ってるから適当に使ってくれ」
爺ちゃんは押し入れを指差し言った。
「はぁーい」
正子と婆ちゃんはさっそく夕飯の支度にとりかかっている
隆はリビングに座り、運転の疲れを癒していた
「隆君疲れたろ、風呂でも沸かすから入りなさい」
「それは、助かります」
隆は風呂に入りくつろぎ、ご飯と一杯
を想像して「くぅーっ」と一人心の中、唸った。
子供達は部屋にさっそく布団を敷きながら遊んでいた。
「今日からここに泊まるひやっほー」
冬馬君、大喜は嬉しさのあまり飛び跳ねた。
きみ子は敷いた布団の上で体操をはじめリラックスモード全開だ。
その時多網が一言つぶやいた
「この部屋で今日夜怖いDVD観たら盛り上がる」
「うひょーそれは良い案だ」冬馬君は多網の案に大興奮
「それは面白そうだ」大喜も大賛成
「ちょっとこわそうだけど、みんなで観るなら面白そう」きみ子も乗り気だ
。
知らない場所で、みんなで畳の上の布団にくるまりながら怖いDVDをみる。
何だかワクワクウキウキした子供達だった。
「でもDVDないよ」と大喜
「爺ちゃんにレンタルビデオ店連れて行ってもらおうよ」冬馬君が言った
「近くにあるかな?」
さっそく爺ちゃんのもとに冬馬君と大喜は向かった
「爺ちゃん、近くにレンタルビデオ店ない?」
「あるよ」
爺ちゃんは結構新しい物好きなのか
若いところがあるのか結構現代的なことを知ってる爺ちゃんだった。
「じゃあ風呂沸かしたら、車で連れて行ってやる」
「わあーい、ありがとう」
二人は喜んで部屋に戻った。
部屋の中では、障子を開け、閉まってる雨戸を開き多網は外を覗いていた。
当たり前だが普段とは違う景色
外はいつもと違う景色
多網ときみ子はしばし黙ってポカンと外の景色を見つめていた。
「いつもと違う外だ」ときみ子
多網もこくり頷いた「新鮮」
しかし、外の空気は冷たく、多網は雨戸をすぐさま再びしめた。
何だか不思議な空気が流れた瞬間
部屋に喜んで二人は戻ってきた
「多網、きみ子 連れてってくれるって
」
多網は突然リンボーダンスを始めた。
それを見て負けじときみ子も身体を揺さぶりダンスをし始めた。
凄いぞ、この二人。
冬馬君も大喜もそれをみて歓喜の舞を踊りはじめ盛り上がっていた。
嬉しい時は自然と身体が踊りだす
ウキウキワクワクの夜が始まった。
「おーい、ビデオ屋行くか?」
爺ちゃんがやってきた。
「行く行く」
「じゃ車に乗って行こう」
「やっほー」
みんなは爺ちゃんの車に向かうため玄関に向かった、外は真っ暗 、気温も自分の家の所より低く寒く感じた。
爺ちゃん家の周りは結構山に囲まれている所だ。
「うー寒い寒い」
みんなは車に乗り込んだ。
「じゃ行くぞ」
ブウゥーン。
少し走ると色々なお店が出て来て、結構ひらけた所になった。
「知らない町のドライブ最高だね」
助手席に座った冬馬君が爺ちゃんに語った。
「旅先のはじめて見る風景良いもんだな」爺ちゃんはニッコリ孫達を乗せドライブ爺ちゃん自身も嬉しそうだ。
レンタルビデオ店につき、みんなは車から降りた
「結構広い」 「わーい」
子供達は喜んで店に入って行った。
「じゃあ好きなの借りなさい」
みんなそれぞれ、興味のあるコーナーに向かった
冬馬君と大喜はさっそく怖いビデオのコーナーに向かい。
色々観ていた、「これ怖そう」
きみ子はアニメのコーナーに居た。
多網は洋画コーナーを観たりしている
30分くらいたった頃
爺ちゃんが「そろそろ帰るか」
みんなは気にいったDVDを持っていた
冬馬君大喜は、もちろん心霊系を選んでいた。
きみ子はドラエモンを手に持っていた
「これ観たい」
多網の手には何故かゴリラのドキュメンタリーDVDが握られている
「爺ちゃんも何か借りるの」
手には「男はつらいよ」が握られていた。
「さてとビデオも借りたし帰るぞい」
ブウゥーン
家に帰れば夕飯はもう出来てる頃
時刻はもう21時を過ぎていた。
「ただいまー」
「お帰りなさい」ちょうど風呂からあがったばかりであろう隆が気持ちよさそうにみんなを出迎えた。
「いやー良い湯でした」
「それなら良かった、じゃ、隆君一杯やろうか!」
「是非やりましょう」
大人の宴会が始まった。
リビングには沢山の晩ご飯のおかずが並べられて豪華に彩られた食卓になっている。
「うまそー」冬馬君達はさっそくリビングにむかい席についた。
「これは婆ちゃん特製のシチューじゃよ」
「じゃあ、ちょっと遅めの夕飯にしようかのう」
「いただきまーす」
隆と爺ちゃんはビールを乾杯した
「乾杯」
「婆ちゃんのシチューどうじゃい?」
きみ子は目をつむり上品に一口
シチューを口に含んだ。
そう上品なきみ子を垣間見せたがすぐに崩れた。
「うまし」きみ子は吠えた
「うまし、うまし、うまし うまし」
凄いリアクションだったがこれは、よっぽど美味いとみた。
冬馬君もゴクリ
「うっ、うまい」
「こりゃあ最高」と隆も大喜も正子も大絶賛だった。
そんな中多網は全神経を舌に集中させ
目を閉じた
カッ目を見開き、皿を持ち上げシチューをゴクゴク飲むようにかきこんだ。
「ああっ」
何とも異様なリアクションを多網がしたので一同驚いた。
多網の口から吐きだされたのは、そう見慣れた歯並び。
入歯 婆さんの入歯 シチューからひょっこり婆さんの 入歯・・・
「こんにちわ」シチューと絶妙に絡みあった 婆さん・・・シチューテイストの入歯であった。
婆ちゃんはつぶやいた「あっそこに落ちてたか、見事に煮込まれ美味そうじゃい」
「ちょっとお母さん」
一同大爆笑だった。
みんなは夕食を済ませテレビを観ている、隆と爺ちゃんはまだ乾杯して飲んでいる。
「みんな先にお風呂入っちゃいなさい、良かったらきみちゃん先入ってきなさいよ」と正子が言った
「じゃ、そうさせてもらいます」
きみ子は風呂場に向かった。
「みんな居て賑やかでいいなぁ、いつもは婆さんと二人だから、今日はとてもありがたいよ」爺ちゃんはウイスキーをぐびっと飲んだ。
「しかし、今年も、もう終わりじゃな
はやいのう」
年明けはいよいよ明後日。
「みんなで過ごせるの最高だね」大喜が言った
「そうじゃのう」
しばらくしてきみ子が風呂からあがり今度は冬馬君達が風呂場に向かった。
「あーいい湯だった」
きみ子もご満悦。
だがその時だった、
「ブリッ」立派なオナラ。
気を抜いたか?きみ子、いつもの家に居る時の癖が無意識に反射的に出てしまった。
習慣おそるべし
しかも立派な圧み、サウンドと大胆なヴォリューム文句なし金賞である。
「てへっ」きみ子は笑った「てへっ」
もう一度オマケに笑った。
そして静かに席につきテーブルの上の唐揚げをひょいと口につまんだ。
爺ちゃんは思いたったように
今さっき借りてきた
「男はつらいよ」をつけた。
「おっ良いですね」隆も好きなので微笑んだ。
旅先で観るテレビ 結構思い出や記憶に残るものだ。
冬馬君達も風呂場からあがりサッパリ
ポカポカ。
みんなでしばらく、リビングで一緒にビデオを観ていた。
そんな中「さて、そろそろみんなであっちで観ようか」
冬馬君は皆に提案した、そう怖いDVDである。
子供達は走って部屋に向かった。
みんな、布団に包まった
「多網怖いからビデオつけてよ」
冬馬君は布団にくるまり準備万端
そして大喜が電気を消した。
きみ子は目をまんまるにして布団にくるまっている
「うー何だかワクワク」
子供達の夜の時間は始まったばかり
つづく




