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冬馬君の冬休み   作者: だかずお
10/35

車内の攻防




〜 車内の攻防 〜



きみ子はただただ嬉しかった


これから旅行みんなで旅行

まさかの自分も参戦

きみ子ご機嫌である。


冬馬君、大喜、多網の顔を見回して

にっこり笑って言った


「旅行最高!!」


きみ子の気分は上がっていた

冬馬君達の気分もなんだかそれを見て更にあがってきた。

その様子を見て正子達は笑っている。


冬馬君が「何か音楽かけてよ」と言った時きみ子が「私CDあるよかける」


「よろしく」


とぅーとぅとぅるートゥルルるーるーるるるるー



「あっ宇多田ひかるのオートマティックだ、何だか懐かしい」大喜が言った


イントロをみんなで聴いて盛り上がっていた時、一同は歌が始まって驚愕した。

なんとその歌声はきみ子なのである。



なんじゃこりゃ!!

みんなビックリである。


「最近の歌は凄いね」とおばあちゃんが一言つぶやいた。


何がどう凄かったのは分からなかったが。感想は多分 ドラエモンのジャイアンと言えば一番わかりやすいだろうと冬馬君は思った。


きみ子は、熱唱してる。


「ななかいーめのベル」


多網は首を縦に振り曲に入り込んでいた、もはや信者である。


「これって、歌ってるのきみ子ちゃん?」正子が言った。


「あははやっぱ、ばれたカラオケ店でやってもらったの」


そりゃばれるわ 冬馬君は思った。


きみ子宇多田がやっとのことで終わったと思った正子だったが、すぐさま

次の曲のイントロが流れた

こっこれは!!


Boyのマリオネットであるまさかこれも?

そう、きみ子であった。


冬馬君はチラッと大喜の顔を確認した、やはり顔は真っ赤になっていて

今にも笑いで吹き出しそうな顔を必死に抑えている、まさに富士山の噴火手前である。

冬馬君もそれを見て一瞬で笑いがこみ上げてきた やっやばい、このパターン

いつぞやのウンコ事件の様な展開だ。



きみ子は大熱唱


多網のノリは曲のノリとともに爆発した。


首の振りはいっそうはやくなり、

まさにハトである。


婆ちゃんは「わしには最近の歌は

ちょっとついていけんわ」と言っている。


母さんこれは、母さんが時代に遅れてるとかそんな次元の話ではないのよ

と正子は心で思っていた。


隆は何故か顔を見られないように外を向くように、運転している。


あっ、その時冬馬君は見た!!


隆の顔も真っ赤になりまさに今にも噴火しそうな山である、なっ仲間だ。


くううーっ、それを見た冬馬山も一気に噴火に近づいた、やっヤバイ。


三つの山はもう限界に近い、

曲がまた終わり車内は静かになったこの間が一番ヤバイ。


そんな時何も知らず、正子は隆に質問した

「あなた静岡までどれくらいかかるかしらね?」

そのタイミングの質問はまずかった


「えっ くはっ ニッ2時かぬ」

笑いを堪えていてまともに返事が出来ていないのである


その真っ赤になった顔と言葉ですぐさま正子は異変を察した。

いや誰もが分かったろう。


「どうしたの?おじちゃん」

きみ子の改心の一撃的な質問である


これじゃ隆は即死だ、

もはや、まともに答えられないだろう


冬馬君、大喜もフォローしたかったが

無理である、へたすれば自分が噴火してしまうからだ。

自爆である、その瞬間三つの山は連動し噴火するだろう・・それだけは避けなければ。


その時、天の恵みが舞い降りた

三曲目のイントロである



だが、こっこれはまずい、正子はすぐさま思った。


そう永年の名曲 川の流れのように

これは婆ちゃんにも分かる

うおおーっなんちゅー選曲したんだきみ子

冬馬君は心で叫んだ。


「あっこれは、大好きじゃ」


あはは、きみ子は嬉しそうに微笑んだ

やった!


「知らず しらす あるいてきた


「なっ、なんじゃこりゃヒバリじゃない、こりゃあ」


その言葉を発する前に「おっお母さん、お昼食べた?」

機転をきかし話かけた正子だったが焦ってテンパっている正子の質問は全く意味の分からない質問だった,


「さっきから一緒に居るのに何いうとるんじゃ、わしよりはやくぼけたか?


「じゃ、そろそろ」と正子はCDを急にとめた婆ちゃんの発言をおそれたのであった。


「ありがとうきみ子ちゃん」


「えっもういいの?後六曲はあるのに」


「うん、ありがとう」


噴火寸前だった山達は一命をとりとめた。


「高速道路の入り口だ」と大喜


「いよいよ高速だぁ」冬馬君のテンションもあがった。


きみ子も多網も嬉しそう。



変わりゆく景色の中



「しゃー」きみ子は突然叫んだ


そう高速にのって

30分後のことだ車は大渋滞


「どうしたの?きみ子ちゃん」


きみ子は排泄をしたかった。

しかし言えないでいたのだ

それがたまりにたまった結果の突然の

「しゃー」


「あっ何でもないよ」

きみ子は自分がトイレに行きたいと言うことを拒んでいた。

きみ子なりの理由があるのだろう。



きみ子はボヤけて見える外を眺めた、実際限界に近かった、そうここだけの話 大きいほうなのである。


「こりゃ混んでて動かないなぁ、静岡着くの大分かかりそうだ」

隆は外の車の数を眺めつぶやいた


「パーキングあるけど誰かお手洗い行きたい?」


「僕はいいや」


「わしも大丈夫じゃ」


「大丈夫」


「私もだっ・・だっダ 大丈夫」


「多網は?」


ギロリ きみ子は多網を物凄い視線でニラんだ


実は行きたかった多網だが

その視線に危険を感じとり


「ノン」ポツリつぶやいた


「シャー」

きみ子はその瞬間再び雄叫びをあげた


車はパーキングをこえて行ってしまった。


車はいぜん渋滞中


子供達がはしゃいでる中、きみ子の身体は変な角度によじれていた。


歯を食いしばり かなりやばそうな状況だったが誰ひとり気づくものはいなかった。


きみ子は己と闘っていた


心の中では


きみちゃん ファイト きみちゃん ファイト きみちゃん ファイ ファイ ファイ!!


その時、「ヴッ!!」波がやってきた、これはビックウェーブである

きみ子は歯を食いしばり、足をふんばり

この波を乗り切るために手をけつに押しあて気合いを込めた。


きみ きみちゃん きみ きみ きみ子 ファイゔおおぉおーおイェヤー!!


心の中は修羅場である、合戦である。


その時、自分の尿意に限界を感じていた多網はつぶやいた


「しっこ」


「えっ大丈夫?次のパーキングよるから」


きみ子の頭の中に神が降りそそいだ


その姿は便器である



ハッハッハヒュー ハッハッハヒュー呼吸を整えきみ子は最終段階に入った

ラストスパートである


負けられない闘いがここにはある

いつぞやのどこかで聞いたキャッチフレーズ。


「でも、この様子じゃ次のパーキングまで一時間はかかっちゃうんじゃないか」隆の思いがけない一言であった。


ブリブリブリブリ


その言葉にきみ子の戦意は折れ

出るべきものは穴からヒョッコリ顔を出した「やあ」


完敗!!


車は走る




つづく

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