ヒトガタ
「UMA特集かあ、何がいいかなあ」
私は早速、面白そうなUMAの情報を求めてコンピュータに向かい、ブラウザを立ち上げた。UFO、モスマン、フライングヒューマノイドといった、有名なUMAが羅列されていく。しかし、どれも以前に組まれた特集と同じような情報しか出回っておらず、真新しさが感じられなかった。
と、しばらくスクロールしていた指がふと止まり、一つの記事が目に入った。
「新しいUMA、ヒトガタ現る……?」
それは、北極、あるいは南極周辺の海域で新たなUMAが出現したというニュース記事だった。出現し始めたとされる時期はここ数年前からで、資料の少なさからどこも手を出しづらいようだ。
私が見つけた記事には1枚の写真が添付されていた。その写真には、薄暗い海中をまるで泳いでいるかのような、白い人間が写っていた。そう、それは確かに人間の形をしている。頭部に始まり、首、肩と続き、胴体が伸びている。両肩からは腕が伸び、まるで海底に沈む何かを掴もうとしているかのようだった。だが、写真でもわかるその巨大な体躯は到底人間のものではなかった。顔に当たる部分はまるでお面を付けているかのように、のっぺりとした白いものしか写っていない。
その異様な姿を収めた写真に私が身を震わせると、後ろから声がかけられた。
「よ。何見てるんだ?」
話しかけてきたのは、カメラマンの河野君だった。彼は私と同期で、たまにペアを組んで取材に出かけたりもする。
「ああ、これなんだっけ。最近ネットで話題になってるUMAだよな。確か、ヒトガタとかニンゲンとかいう」
「そうよ。今度UMA特集を任されたから題材を探してたんだけど、うん。決めた、これにするわ」
「ま、いいんじゃないか。カメラマンが必要なら声かけてくれよ」
「ええ。そのときはお願いね河野君」
彼は片手をあげて返事をすると、カメラを持って外へ向かった。
「さて、と」
私は取材の許可を貰うために、書類に手を伸ばすのだった。
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