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婚約者様のお師匠様

ハル、デート失敗したらしい。

さて、どうするかな。


「なんで、名犬牧場は危機一髪2なんて見てるのさ、2000年を越えた后妃か光ヶ丘の結女にしろって言ったでしょう。」

僕は弟子のハロルドを座敷に正座させていった。


金髪碧眼の美青年と日本間なんて合わないんだと思いながら。


僕は宇水 (アオイ)、千陽のお祖父様だ。

世間一般的には宇水の妖怪で通っている。

なにぶんにも、化け物いわれてもおかしくないくらい生きてるもんでね。


「申し訳ございません、師匠。」

ハロルドが頭を下げた。

「...おおかた、千陽にこっちがいいって言われたんだろうけどね。」

全く、ハロルドのどこが気に入らないのさ。

我が孫ながらわかんないよ。

「千陽はオレに気を使ってくれただけで。」

ハロルドが言った。

...そんなんじゃ、いつまでたってもものにできないよ。

「力加減は調整できたの?」

僕は言った。

ハロルドは竜人のせいか筋力ありまくりなんだよね。

「まだまだのようです。」

ハロルドが言った。

ああ、千陽、かわいそうに。

「いつになったら、千陽と楽しい時が過ごせるのかな?」

僕はため息をついた。


「楽しい時と言えば、年末年始はご指示どうり押さえました。」

ハルが言った。

おお、よくやったね、無理だとおもってたよ。

「ラシュルドに帰るんだよね。」

僕は言った。

「はい、うまい感じに話の流れがいきまして。」

ハルが微笑んだ。


「ハル、ハロルド、僕はさ、君に可愛い孫をあげるのが一番いいと思ってる。」

変な男にあげたくないし。

「ありがとうございます、師匠。」

ハルが深々と頭を下げた。

「君が、本国でもてまくりなのに千陽しか見えなくて、実は男好きって噂ばなしも聞いたし。」

本当にあわれだよ、

少年時代に千陽に惚れたばっかりに言うに事欠いて男色家呼ばわり。

だから、竜騎士団から異動したのかな?

「ハア?そんな話があったんですか?」

ハルがきょとんとした。


この男は...本当に千陽しか見てねーんかい。


「...まあ、ともかく、年末年始は絶対ハルのところにやるから。」

僕は言った。

ハロルドが目に見えて明るい雰囲気になった。

「力加減の調整ができるまで手は出さないでね。」

僕は微笑んだ。

「......頑張ります。」

ハロルドが言った。


ハルがたとうとしてバランス崩した。

しびれたんかい、修行が足りない!

と...言うわけにもいかないか?


「大丈夫かい?」

僕は言った。

「はい。」

大丈夫じゃなさそうに足をさすりながら

ハルが言った。


ハロルド・セーライト。

僕の大事な孫娘を君にあげるんだから。

いつまでも、善良で全力投球だけじゃ困るんだよね。

ちゃんと考えなよ。

バカじゃないんだからさ。

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