婚約者様と新年会1
全然わかんないよ。
女王陛下の縁談相手。
亜久里王女殿下の側近なのかな?
それとも、キハセーダ公の息子とか?
「よく、きたわー、千陽ちゃん。」
女王陛下がニコニコしながら
進路に立ちふさがっている。
今日は紫の盛装に藤の花の冠だ。
何でも藤の花はラシュルドの象徴で
木霊族の宿る藤の聖樹の森
があるんだそうだ。
女王陛下の大房の藤の花の冠は
女王陛下を認めた
王家の藤の木霊から即位時
送られたもので。
枯れないらしい。
ハロとか竜騎士のつけてる。
藤の花の貴章もその森の木霊が提供した。
貴重なものなんだって。
「お招きいただき光栄に存じます。」
私は挨拶した。
ハロのお母様作ってくれた。
赤ピンクの盛装の水晶のピーズがキラキラひかりを反射して光った。
髪には紅水晶の花の髪飾りが輝いている。
ラシュルドの女性は
髪の短い人が多い。
竜騎士と差別化だと言う説が有るけど定かじゃない。
よって必然的に女性は
髪を結わず、おめかし時は
髪飾りをつけておしまいだ。
私は少しその基準からすると
長すぎるんだよね。
まあ、ハロに比べれば。
短いけどさ。
「うふふ、固くならないの。」
女王陛下が嬉しそうに私の手を握った。
「陛下、千陽は私の婚約者です。」
ハロが言った。
「いいじゃない減るものじゃなし。」
女王陛下が言った。
「減ります。」
ハロが面白い事を言った。
そして、女王陛下から手を外した。
「あなた、そう言う人だったのね。」
面白そうに女王陛下が言った。
「どういう人ですか?」
ハロがニコニコしながら言った。
わー、腹芸もできるんだね。
今日のハロ...ハロルド・セーライトは
竜騎士の正装です。
美青年が綺麗な格好すると迫力あるね。
「まあ、あなたも楽しんでいってちょうだい。」
おざなりに女王陛下が言った。
「ありがとうごさいます。」
ニコニコしながらハロは言った。
ハロさん、エスコートって
手を握りつぶす事じゃないと思います。
「...痛いよ、ハロ。」
私はハロに抗議した。
「す、すまん、千陽。」
ハロは手を緩めた。
ああ、それでも痛いよ。
涙がにじむ。
「かわいそうに、お姉さまと行きましょう?ハロルド・セーライトはほっておいて。」
女王陛下が言ってもう一度、
もうかたっぽの手を持った。
えーん、それじゃあお父さんお母さんに
連行されたちび幼児ですよー。
「小国の女王陛下はずいぶん呑気なのですね。」
後ろから嫌味な声がした。
モフィル女王陛下が固まるのが分かる。
「ラーセルート竜王国のイライアス・ハーセヴァ・ラーセルート王子殿下、ようこそ。」
明らかにテンションの下がった、女王陛下が言った。
私達の後ろには不機嫌そうに
黒い長髪に青い目の長身の
器量のいい青年がたっていた。
すごくえらそうだよ。
格好からいって高貴そうだけど。
ラーセルート竜王国?
えーと...ちょっと端末で調べたいな。
私は挨拶して会場の物陰を探した。
会場は上品できらびやかな飾りつけだった。
雪の白にラシュルドの藤色がテーマカラーのようだ。
「...トイレか?」
私がキョロキョロしてるので
ハロがこそこそ言った。
「...違うよ、ちょっと調べものしたくて。」
私は言った。
「...ラーセルート竜王国のことか?あの国はラシュルド王国の本国と言われたている。」
ハロが言った。
ええ?本国?
私はついたてを見つけたのでその影で
端末を開いた。
えーと、一次界の竜騎士の王国。
ラシュルド王国の創設者は
元々、ここの王族だった痕跡があり。
界渡りを小国レベルのグループを率いてしたようだ。
何故したかは調査中だが。
一説には、権力争いに疲れた当時の
王太子が自分の部下と希望者をつれて渡ったとされる。
ラーセルート竜王国の
主な産業は
竜の育成、畜産業。
農業、漁業等、
竜よるタクシーや
竜の宅配便...ただしこちらは
ラシュルド勢のドラゴン急便に
押されてあまり有名ではない。
混同もあるようだ。
「なるほどね...あの王子が縁談相手かぁ…。」
私は呟いた。
ドラゴン急便と業務提携したいんじゃないかな?
こちらの方がネームバリューあるしね。
「...オレは女王陛下には合わないとおもう。」
ハロが言った。
うーん、そうだね。
例え、王族でも、好きな人と
結婚してもらいたいよ。
可愛いもの好きの変態でもさ。




