クローズドβテスト終了
朝起き時計を見ると8時50分を回っていた。
「やばっ!約束の時間まで10分しかない!」
慌ててリビングに行き朝ごはんを済ませると、妹のこのはが
「ねぇねぇ、最近何してるの?大河君と一緒みたいだけど。」
「ゲームだよ。」
「ふ~ん、面白いの?」
「面白いよ。このはも興味ある?」
「ん~。ちょっとあるかも!」
「そっか、じゃぁまた夜話してやるよ。大河と9時に待ち合わせてるんだ。」
「うん。いってらっしゃい。」
急いで部屋に戻ると5分過ぎてた。
「やべ。大河がうるせーだろうな。」
「ダイブゲート」
目を開けると、慣れ親しんだクレアシオンの街並みが目に入ってきた。
「ア~ギ~ト。遅刻すんなよ!(怒)」
「どうどう(汗)」
「てめっ!俺が人狼族だからってそのなだめ方はねーだろ!!!」
「あはは。冗談冗談(笑)」
βテスト最後の日。いつも通り和やかに始まった。適当に狩りをし、ダンジョンに遊びに行ったり、いつも通りパンドラ・オンラインを楽しんでいた。一通り楽しんでいると陽も落ちてきて、いい感じの時間になっている。
「そういえば、今日は9時までしかインできないんだっけ?」
「そうだなぁ。アギトはギリギリまでいるか?」
「んー・・・次の日正式版朝の9時に公開じゃん?βテスターはその1時間前から設定やら更新やらできるって書いてあったから、今日はそろそろ落ちて明日に備えようかな。大河は?」
「俺もそうしようかな。明日思いっきりやりたいもんな。そういえば、あの噂本当かな?」
「何の噂?」
「昼の3時になったらノア主催のウエルカムイベントがクレアシオンの広場で行われるってやつ。なんか、初回参加者は何かもらえるらしいぜ。」
『パンドラ・オンライン正式サービス公開初日』
パンドラ・オンライン正式サービス参加者に告ぐ。
11月1日始まりの街クレアシオンに集え。
午後3時より始まる宴の折
ゲームマスターより重大告知及び、
参加者にある物が与えられん。
1週間くらい前にこんな書き込みがされていた。パンドラ・オンラインβテスターや正式版参加希望の人たちが盛んに噂をしていた。
「重大告知と何かが与えられるってやつだよな。何がもらえるんだろう?」
「超レア武器とかだといいな~!(笑)」
「だな。ダンジョン攻略が楽になるな!」
この時は何も考えずにあれこれ、明日の宴の話に花を咲かせていた。
「よし、大河。俺はそろそろ落ちなきゃかな。このはがPAに興味持ったみたいなんだよね~。話してくるわ。」
「お!このはちゃんもやるの?いいねぇ~♪また3人で一緒に遊べるな!」
「おう。まーやるかやらないかは本人次第だけどな。じゃ、また明日9時くらいにここら辺で待ち合わせしようか。」
「了解。じゃーアギトまた明日な!」
「じゃーな!」
メニューを開きログアウトをする。目の前が暗くなり、現実世界へ戻った。
「ふぅ。長時間やるとさすがに疲れるな。このはにPAの事話にいくか。」
このはの部屋の前にくると、ノックをする。
コンコン。
「はーい?あ、お兄ちゃん。どしたの?」
「はぁ・・おまえなぁ。今日の朝にPAに興味あるって言ったろ。」
「あ!そうだったね。てへへ」
このはの部屋に入り、このははベッドに腰掛け、俺はこのはの部屋の椅子に腰をかけた。そして、簡単にPAについて話し始めた。
「・・・とまぁ、こんな感じでVRギアをつけて仮想現実、つまりヴァーチャルリアリティの世界で冒険をするゲームなんだよ。で、明日から正式サービスだから一般の人もできるわけさ。」
「へー。仮想現実でゲームとか楽しそうだね!」
「まぁでも、このはVRギア買わないとだから明日すぐにはできないな。」
「私VRギアもってるよ?」
「!?まじで?VRMMOやったことあるの?」
「んーん。私は星見るの好きじゃない。だから時々、VRギアで星見に仮想世界に行ったりしてるんだよね~。まさかお兄ちゃんVRギアはゲームのためだけのだと思ってたとか?(笑)」
アギトは一瞬止まりながら焦ったように
「・・・そ、そんなことあるわけないじゃん!ちゃんと知ってたよ~」
「だよね~(笑)(絶対に知らなかったな)」
「で、このはもやってみるか?大河も一緒だから楽しいと思うよ。」
「うん。やってみようかな。」
心なしか、このはは嬉しそうに見えた。
「じゃぁ、明日すぐプレイできるようにこのはのPCにインストールだけしておくか」
「ありがとう」
無事インストールも終わり、おやすみとこのはの部屋を後にする。部屋に戻るとすでに10時を回っていた。PAを出たのが8時くらいだったから、インストールを含めて、2時間くらいこのはとしゃべっていた。
「そろそろ寝るか。アラームをセットしてっと・・・」
8時からインして設定できるように7時30分にアラームをセットした。今日はいっぱいPAにいたし、このはにも説明したしで、結構疲れたな・・・などと考えていると自然とまぶたが閉じ、眠りについていた。
うーん。デキはどうなんでしょう?まとまりないですかねぇ?なにか意見とかあったら教えてください。