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水の都オンディーヌ

 水の都と言われるだけあって、オンディーヌはその街全体が街中に張り巡らされた水路の上に存在する。ボートに乗り込みきょろきょろしていると、エンジンが見当たらない。オールが4本ある。ま、まさかと思うが聞かなければならない。


 「な、なぁアリサさん。」

 「なんですかアギトさん?」

 「このボートどうやって動くんだ?」

 「そりゃぁみなさんに漕いでもらいますよぉ。何言ってるんですかぁ♪(笑)」

 「「「・・・まじか!?」」」


 しょうがないと思いオールをつかむと左前にこのは、後ろに俺、右前にアリサさん後ろに大河という順番で位置についた。


 「・・・野郎ども準備はいいか!?」


 ・・・へ?アリサさん雰囲気変わった?


 「うおぉぉりゃぁぁぁ!」


 と、いきなり凄まじい勢いで漕ぎ出すアリサさん。


 「!?やべ!バランスとるぞ!」


 といい、みんなもアリサさんに負けじと漕ぎ出す。分速約50mをたたきだし、2分で向こう岸までついた。岸についた途端手をついて肩で呼吸をしていると、


 「あれぇ?みなさんどうしたんですかぁ?」


 ・・・こ、このアマ(怒)まぁ何はともあれ、オンディーヌに入ることができた。感謝せねば。


 「ありがとう、アリサさん。助かったよ。」

 「いえいえ♪いつでもご利用ください♪」

 ・・・できれば遠慮したいものだ。さて、宿屋にでもいくか。


 「よし、まずは宿屋を探そうか。」

 「そうだな。」

 「疲れたね~。」


 オンディーヌの街中を眺めながら歩いていると、宿屋が入口のすぐ近くにあった。もうかなり時間も遅いし、ここでいいだろう。みんなにここでいいかと確認し中へ入る。


 「いらっしゃいませ。旅人の味方パンホス-オンディーヌ店になります。」

 「3人で一番安い部屋を借りたいのだが・・・いくらは一番やすい?」

 「かしこまりました。1部屋1000クルスの部屋が一番お安くなっております。」

 「安いな!じゃぁそれを1部屋・・・」

 「まったまった~!」

 

 このはが叫びだした。


 「ん?どうした、このは?」

 「おにいちゃん!私はいちよう女の子なんだよ!男の子と一緒に泊まるなんて無理だよ!」

 「またまた~(笑)俺と大河だから大丈夫だよ。」

 「大丈夫なのはわかるけど、イ・ヤ・な・の!」

 「ふぅ。しょうがないな。じゃぁ2部屋お願いします。」

 「2000クルスとなります。」


 ここは前金みたいだな。アイテムイベントリからお金を出すと支払いを済ませた。


 「それではお二人さんは205号室でお嬢さんは206号室となります。階段は左に進んでもらえばすぐ見えますので。ごゆるりと。」


 鍵をもらい歩き出すとすぐに階段が見えてきた。部屋の前まで行くと、また後でね、と部屋に入っていった。


 「ふぅ。さすがに疲れたなアギト。」

 「あぁ。軽く準備をしたら外にご飯を食べに行こうか。」

 「あぁ。そうだな。」


 お互いシャワーを浴びると、部屋の外に出てこのはを呼んだ。


 コンコン。


 「このは。俺らご飯行くけどどうする?」

 

 返事がなかった。寝たのかな?と思いメモをドアの下に挟んでおいた。


 メシに行ってくる。いちよう何か買っておくから、このはも後で食べろよ。


 「さて、行くか。」

 「あぁ。」


 大河と連れ立って歩き、ご飯が食べられそうな店を探して歩いた。俺は水の都と言うくらいだから、魚類がいいなぁ~と考えていると、


 Fresh Fish Meat Specialists ~新鮮な魚をあなたへ~


 お。なんかうまそうな所発見!


 「大河、あそこ入ってみようぜ。」

 「ん?あぁ。いいぞ。」


 と言いつつ大河は前方にある豚の丸焼きをしている店を凝視していた。


 「また、そっちは今度な。今日は魚がくいたい。」

 「りょーかい。」


 扉を開けると、

 

 カランカラン。


 とベルがなった。


 「いらっしゃいませ、2名様でしょうか?」

 「あ、はいそうです。」

 「こちらへどうぞ。」


 店内を案内され、奥のテーブルに行く。

 

 「結構高級そうな所にはいっちまったか?」

 「ん~・・・とりあえず、メニュー見るか。」

 

 エンゼルフィッシュのムニエル:3000クルス

 シードラゴンのソテー:4000クルス

 アクアルパの照り焼き:3500クルス

 Aセット:4000クルス

 Bセット:3500クルス


 「う、う~ん。今の経済状況だと結構痛手になるなぁ・・」

 「おい、下見てみろよ。」




 フードトライアル:参加費500クルス



 

 「なんだこれ?500クルスで食べれるのか?」

 「んー、なんか間食したら逆に1万クルスもらえるみたいだぜ?失敗すると5000クルス払わなきゃだけど・・・やるか?」

 「大河・・・愚問だろ。やるしかねぇ!すみません!」

 

 アギトの目は光ってた。


 「ご注文はお決まりでしょうか?」

 「フードトライアル2つで!」

 「かしこまりました。少々お待ちください。」


 と言うと、目の前にウィンドウが開き


 クエスト:フードトライアルのチャレンジ


 と表示された。


 5分後アギトと大河はそれを見てこういった。


 「『安い』っていうのはいいもんじゃない時もあるんだね・・・」


 2人の目の前には

 ご飯アニメ盛り(どんぶりで)

 カジッキーノの刺身5人前

 カジッキーノの照り焼き3人前

 カジッキーノのしゃぶしゃぶ5人前

 カジッキーノの握り 8人前

 カジッキーノのから揚げ 6人前 ・・・etc


 が、2人でだと思うじゃん?×2きたからね(泣)


 「ぅ~ん・・・大河覚悟を決めるぞ。」

 「お、おう。」

 「「いただきます!」」


 と同時に一気に口にかきこんだ。


 完食まで優に1時間以上かかった。


 「も、もう無理・・・」


 と、いいながら大河は最後のから揚げを口に入れ、倒れた。


 「う~ん・・・しばらく食わなくても生きていけそう。」


 と、アギトも完食し机に突っ伏した。


 「いや~。すごいアルね。」


 と後ろから怪しい男が近づいてきた。

 

 「私、ここでチーフシェフを務めてるものね。完食おめでとう。これは賞金ある。」


 というと、


 ポーン。


 という音と共にメールが入った。


 クエスト完了。


 「いやぁ、おいしかったですよ。御馳走様でした。あ、妹にサンドイッチかなんか買っていこうと思うんですけど、何か作ってくれませんか?」

 「いいアルよ。カジッキーノのサンドイッチつくってやるヨ。今日は新装開店だから特別価格で1500クルスでいいよ。」


 ラッキーと思っているとシェフは厨房へ戻っていった。


 会計を済ませていると、ウェイトレスがサンドイッチを持ってきてくれた。


 「よし、もう遅いし、いったんホステルに帰るか。」

 「そうだな。このはちゃんも起きてるかもしれないし。」


 ホステルに戻ると、このはの部屋までいく。


 コンコン。


 また反応がない。ドアを開けてみると、泣いているこのはがそこにはいた。


 「!?どうした?何かあったのか?」

 「・・・おにいちゃん。」

 

 近寄ると、しゃがんでこのはと目線を合わせる。


 「・・・今日は一日明るくしようと思ってたの。でも、部屋で一人になったら、急に寂しくなって、怖くなって。どうしたらいいのか分からなくなった。現実に帰れないし、ここで死んじゃったら、現実でも死んじゃうんでしょ?・・・怖いよ。」

 

 俺は・・・バカだ。妹は怖いに決まっていた。なのに、俺が落ち込んだ素振りを見せたばかりに妹は正直に言えなかったのだ。兄として最低だ。


 「・・・大丈夫。このはは絶対に俺が守る。そして、現実世界に戻してやるから。・・だから・・だから、元気を出してくれ。このはの泣き顔を見てるのは俺も辛いよ。」

 「お、おにいちゃん。」

 

 抱き着いてきたので、優しく抱きしめ、頭をなでてやる。しばらくしていると、


 「少しは落ち着いたか?」

 「・・・うん。ありがとう。」


 ぐぅぅぅ。


 このはの顔がどんどん赤面していく。


 「あはは(笑)おなかすいてるよな。」

 「もう!笑わないでよ!」


 と、ほっぺたを膨らませた。


 「ほら。これ買ってきてやったぞ。」


 と、サンドイッチを渡す。


 「ありがとう~♪」


 すぐ機嫌を直したな。単純な奴め。


 「じゃぁ今日はもう遅いし、寝て、明日からまた頑張ろう。」

 「うん。ありがとう。おやすみ。」


 おやすみというと、外にでて自分の部屋に向かった。


 部屋に入ると、大河の大きないびきが聞こえてきた。


 「ふぅ。こいつの適応能力の速さにはついていけないな。」


 布団に入りながらそう考えていた。


 絶対にこのデスゲームを終わらせてやる。このはを現実世界に戻してやるんだ。

 

 そう、決意をすると、横を向いて眠りについた。

今回は長くなっちゃいました。

うーん。ストーリー的にこうした方がいいよとか、なにか、アドバイス頂けたらうれしいです^^


コメントよろしくです~♪

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