[CHAPTER,1] ~PROLOGE~
現在、どの世界にも生物は存在している。
それは、過去から今日までそれぞれの生物が進化を続け、それぞれの子孫に繋げてきた結果・成果である。
ではいったい、何のために生物は繋ぐのだろうか。
その答えは、「目的があるから」ということで間違いはないのだが、その「目的」について記されるのはもうしばらく後のことだ。
今、記すのは、その生物が「持っているもの」についてである。
下記の書は、とある世界のものである。
《陽の書 第一章 一項目 より抜粋》
生物が存在するためには主に3つの条件が揃う必要がある。
これを「生物成立の三大要素」と呼ぶ。
まず第一に「魂」。
これがあるゆえ生物が存在する。
そして、「肉体」と「精神」。
「肉体」は「魂」の入る器となり、それの強靭さで生物がいかに存在していられるかが異なる。
「精神」は魂と肉体の双方を結び付け、支える役割を果たす。
「生物成立の三大要素」は、どの生物にも当てはまるが、生物の種別ごとに小さく異なる。特に、「魂」においては、同一種の生物だとしても全く違う性質と力を持っている。
それは、生物が存在する上での最低限の力であり、また、日頃は外に表れない潜在能力でもある。~
さて、これら仮定の上での物語の舞台は、時が多く流れた、人間が存在する世界。その中でも特に、ある海に浮かぶ、人間によってつくられた巨大な「島」で…。
その「島」はあらゆる人間が携わり、長い年月を費やし完成させたものであり、今では多くの人間が暮らし、繁栄している。
その「島」には、他の大陸には--同じ世界のどこにも--ないものがあり、一部の人々はそれにひかれてやって来ているのだった。
人々はそれを『マジック・ストーン~魔表石~』と呼ぶ。
それは、その島の海底からのみ採ることができる鉱物のことだが、その鉱物には不思議な能力が秘められていた。
それは---
《生物の「魂」に秘められる潜在能力を、外へと引き出す力》