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幸福な人形姫  作者: 悠莉
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魔術師の力

セリナの戴冠式の日が明日となった。

セリナの部屋はカルギルがいた部屋、つまり王の部屋に移った。

「それでは、儀式についてお話します。」

そう言ったのは、クラートで部屋にはもう1人エアルムがいる。

バラタとビリエルは戴冠式や儀式の準備があるので、この2人が説明をしてくれている。

「儀式とは、その者の属性を決めるものだ。」

「属性ってカルギル王がおっしゃっていた、炎の魔術師とかの事?」

「そうです。属性は4つ、炎・風・土・水。ちなみに、水と剣は一緒に使うので同じ属性です。魔術師は石を持っていて、その石は儀式で出てきます。その色で属性がわかるんですよ。炎は深紅、風はエメラルドグリーン、土は灰褐色、水はターコイズブルーなんですよ。」

そう言えば、とセリナは思った。

自分の側近になる4人は、それぞれの石を身に着けていた。

バラタはエメラルドグリーンの石をネックレスにして首に、ビリエルは灰褐色の石をブローチにして左胸に、クラートはターコイズブルーの石を十字架の中心につけて剣に、エアルムはイヤリングにして左耳に着けていた。

「ちなみに、色の濃さによって強さが決まる。そして、貴族だったら姓名も決まるんだ。」

「姓名も決まるのですか?」

「えぇ。貴族だけなんですが、炎はクルス、風はマニィ、土はバルト、水はエニアと言うんです。」

「では、あなた達の姓名についている“ラト”というのはなんですか?」

「“ラト”というのは、貴族の筆頭一族だけがつけれる。その筆頭は、領地を治めていてその一族を4つ合わせてラトリニアと言う。俺と兄2人の母は、みな違うがラトリニアの者でな。ビリエル兄様は父の姓を継いだが、俺とクラート兄様は母の姓を継いだ。」

三兄弟の姓名の違うわけを聞いた後も、セリナは儀式について細かく教えられた。

*************************

「これより、第25代ラルト国国王セリナ様の戴冠式を執り行います。」

次の日、セリナの戴冠式が始まった。

セリナの後ろにはエアルムとクラートがいる。セリナは白地に黒のレースを使ったおとなしいドレスに、赤の長いマントを羽織っていた。

そして、カルギルから冠を受け取るとセリナは正式なラルト国王となった。

*************************

「では、セリナ様。これから、儀式を始めます。この円の中に入ってください。」

戴冠式が終わると、セリナとエアルム、クラート、バラタ、ビリエルの5人は儀式のための広間に来ていた。

広間の中心には、複雑な文字が円形に書かれていた。

セリナはその中央に立つと同時に、エアルム、クラート、バラタ、ビリエルは自分達の石を片手に円の外側に十字になるようにたった。

「「「「この者、新たなる魔術師達の王。預言の書が定めし運命の王。この者を主と認める聖霊よ、石となりここに現れよ。」」」」

4人が呪文を唱えると、セリナは光に包まれた。

********************


ここはどこ?


「あぁ、これが伝説の子か。すさまじい力だ。」


誰?


「さあ、戦うのだ!人形姫セリナ!!」


嫌、嫌、嫌、いや、いや、戦うなんていやあああああぁぁぁぁぁ。

********************

「あ、れ・・・」

ふと目を開けると、そこは儀式の広間だった。

「うなされていたが大丈夫か?」

ぼーっとしていたセリナは突然の声にびっくりした。

見ると、セリナはエアルムに上半身だけ起こされていて、エアルムの顔が近くにあった。

「え!あ、あの・・・大、丈夫、です。」

「よかった。それより手を開け。石があるはずだ。」

セリナは手を開いてみた、するとそこには白と黒が混じった石があった。

「これは・・・。」

エアルムはびっくりして、後ろにいた、クラートとバラタ、ビリエルの方を向いた。

「どうかしたの?この石の色は聞いてないけど。」

するとクラートが微笑んで答えた。

「今日はお疲れでしょうから城へ帰ってお休みください。話は明日にしましょう。」

*************************

城に帰ると、エアルム達4人は執務室に集まった。

時間は夜で、セリナは先ほど眠った。

「少しびっくりしたが、やはりセリナ様はこの国の希望の光だな。」

ビリエルが言うと4人はうなずいた。そして今度はエアルムが話し始めた。

「だが、何か隠している。それが心配だ。聞いたでしょう?儀式で倒れた時に言った言葉。戦うのは嫌だと言っていた。」

「そうですね、ですが無理に聞くのはやめましょう。きっとそのうち話してくれます。」

バラタがエアルムに続いて話していると、クラートは窓へ向かいそして開いた。

「どうした、クラート。」

「歌が聞こえる、悲しい歌が・・・。」

よく耳を澄ますと、風に乗り歌が聞こえた。4人は何も言わずその歌を聞いた。


♪~

  黒い 闇に のまれて

光だけを求めて

だけど 願い 届かない

ここは黒の牢獄


幼い ころから 戦い続けて

希望を 知らない 孤独な 世界で


いつも 願っていても

闇の中 一人きり

誰か光 授けて

闇を取り去って



遅くなってすみません。悠莉です!

今回はセリナの戴冠式&儀式でした。

次は、番外で婚約発表をしようと思います!!

次回、幸福な人形姫~優しい婚約者~

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