化け物
「王になるのは構いませんが、1つお話したいことがあります。」
「なんだ?その前に人払いをしようか?」
「・・・外の兵はお願いします。ほかの4人はいてください。」
カルギルは兵をどかせた。部屋にはセリナとカルギル・バラタ・ビリエル・クラート・エアルムの6人だけとなった。
この5人以外聞いていないことを確かめるとセリナは話し始めた。
「今からはなすことは誰にも言わないでください。・・・私は・・・化け物です。」
その一言に5人は驚きを隠せない。
「本当の事です。私の中には人間はもちろん、人魚・バンパイア・マフィアの血が流れています。それにふつうここまで混ざれば弱いか、無いかですが、私の場合すべての力が強い。化け物なんです。だから王には代わりの者を・・・。」
「そうはいかない。」
話している途中でエアルムが口をはさんだ。
「言っただろう、お前はこの国の希望だと。運命の輪はまわりだしたと。お前はこの国の王になるんだ。お前の正体が何であれ。」
セリナの瞳はだんだん暖かさを取り戻していった。自分の事を必要としてくれる、本当の自分の事を思ってくれる。そんなことは初めてだが、うれしかった。
「どうなっても知りませんよ。でも、これでわたしの“物語”も変わるかも・・・・・・わかりました。この国の王になります!」
「そうと決まれば戴冠式を急がねばな。それにこの者たちの役職や力も伝えなければいかんな。
まず、バラタは風の魔術師でそなたの王佐だ。我の長男のビリエルは土の魔術師で教育係だ。次男のクラートは剣を使う魔術師でな、護衛をしてもらう。三男のエアルムは炎の魔術師、そなたの婚約者だ。」
「婚約者!!?」
いつも冷静なセリナだがこちらに来てからは驚きっぱなしだ。
戴冠式は1週間後となり、婚約発表も同時に行うことになった。
セリナの運命の輪はまわり始めたばかりだ。
新年あけましておめでとうございます!!!
悠莉で~す。
ようやくセリナが決断して、次でいよいよ戴冠式です。
本編で言っていたセリナの物語の話は番外にして書こうと思っています。
そしてこの番外の物語は最終話にちょっと混ぜようと思うのでお楽しみに!!!
次回予告
いよいよセリナの戴冠式。
そして魔術師でおこなう大切な儀式もあった
そこでセリナの魔術師の力はなんなのか・・・
次回、幸福な人形姫~魔術師の力~