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花について

作者: ライス中村


風が吹くたびにその花はなびいて

可愛い元気を振り撒きます


とても魅力的なその花は

いつか必ず摘まれるでしょう


その花自身も実際のところ

摘まれたいな、と望んでいて


花と人とはいずれお互いに

独占し合う時が来るのです



……これまで出会ってきた花々は

今はどうなっているでしょう?


花瓶に飾られているかもしれないし

花びらがちぎられているかもしれない


いずれにせよ 僕が好きだった花々は

もう地面には残っていないのだろうな。


そんなことを想像して

胸がどうにも冷たくなりました



今目の前にあるその花を

くすくす笑いながら風に揺れるその花を


誰かに取られるくらいなら

誰かに汚されるくらいなら


いっそのこと僕が摘んでやろうかと考えて

とうとう茎に手が届く所まで手を伸ばしました


……でもやはり、僕じゃ釣り合いが取れやしないと考え直してしまって

諦めて今日もトボトボと棲家の岩砂漠に帰りました



花は誰かに与えられるものじゃなく

花はどこかから奪うものでもなく

花が、摘まれたい人を選びます

花の目は残酷に鋭いのでした


このまま、自分が選ぶ立場のつもりでいるだけでは

きっと僕は花を一生独り占めできず終わるのでしょう


そういうお話しが

世間の"当たり前"なのでした


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