【8】「終点へ」
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【視野11】「キャリバン・ド・キャリバーン(3)」
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日が傾き、オレンジとネイビーが境界をぼやかせて重なり
夜天の側に一番星が覗いていた。
「あれは……なんだ?」
紅茶色の大地に、突然と、
紫色をした魔力の嵐が吹き荒れた。
やがて巨大な魔力の輪郭が姿を表す。
「……虚神ゲルドパンだ」
「!?」
傍で、ヒーリアが呟いた。
その確信めいた言葉は、
長命の魔女が、以前、その姿を見た事を物語っていた。
「どうやら…上手くいかなかったようだ」
ヒーリアが、アキヒロに託した作戦は、失敗したようだ。
そんな事は、あの巨大な姿を見ればわかる。
その大きさは、ヘシオーム王城の2倍はくだらない。
神の魔法、云々など関係なく、
物理的な攻撃で、十分な壊滅的被害に成り得る。
【伝説の3人】は、あんな規格外の存在を相手にしていたのか
伝説語りでは、その功業の1パーセントも後世に伝えられていない。
「神族とは……かくも、強大なのか」
───タタン タタン。
───タタン タタン。
遠くから、リズミカルな走行音で、光源が近づいてくる。
「なんて……タイミングなんだ」
ついにウドド運行列車が到着してしまった。
大量のトマリンを積んだ列車が、
神の姿を取り戻したゲルドパンへと向かっていく。
絶望的な光景。
そのはずなのに。
私には、その光景が……
大巌に穴を穿つ、最後の一雫に見えたんだ。




