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【4】「死の肌」

「……取り乱して…その…すまなかったよ。

 少し想定外の事が多過ぎて…」


「いや…大丈夫」


しばらく、お互いにズレた会話を繰り返した後で、

女の方から「少し冷静になろう」と言い出したものだから、

「パニクってんのはお前なんだよぉ!!」と、

言ってしまいそうになったけども、

俺も、もう十七歳だ。大人の対応ってやつを取ったわけだ。


「まずは自己紹介をさせて欲しい。

 私の名前は…ヒーリア。

 ヒーリア・ヌロポニアだ。

 ヒーリアと呼んでくれ」


ヒーリア……何処かで聞いた名前だな。


前に見たアニメのキャラだっけか?


「俺はアキヒロ。シミズ アキヒロ」


「アキヒロ?…変わった名前だな」


「いや…それはこっちもだよ。

 ヒーリアはまだしも

 ヌロポ?…なんとかは言いにくいよ」


「……ふふ…そうか…私の名前は変か……」


「何かおかしい?」


「いや…私に対して、そんな風な物言いをする奴が、

 ひどく懐かしくてな」


えらい達観した性格をしてるなぁこの人。

歳の割に苦労してんだな、きっと。


「ん〜……それで…『体に触れると死ぬ』ってなに?」


「……それは呪いだ。

 その昔、兄を庇って受けた【死の肌】という呪い。

 私は、この肌に触れた生き物をあやめてしまうのだ」


……え?マジで言ってんの?


「ちょっ!ちょっと待って!!

 それってどれくらいで効果が出る!?

 いつ死ぬ?俺、もう死ぬの?怖い怖い!!!」


「安心したまえ……というのは、おかしな話だね。

 大丈夫。どういう訳か、君には『死の肌』が効かないみたいだ。

 ……本来なら即死しているのだからね」


「そ…くし……そんじゃ…何人かは……実際に?」


「…ああ…うん。その通りだよ。

 無思慮むしりょな私は、この呪いで3名の命を奪ってしまった」


質問した後で気づいたけど、

無思慮むしりょなのは俺の方だな。うん。


「ただ…3人とも肉親だったのでな。

 幸運か、不幸か。

 それで恨まれるという事は無かったよ」


「うわぁ〜きつい!!

 酷い話だよまったく!!」


…ん?……ちょっと待てよ。

肉親で……3人?……父親と母親と……

そんでもう一人?


「なぁ……ヒーリア。

 その…呪いを受けてまで助けた、お兄さんってさ…」


「察しが良いのだなアキヒロ。その通りだ。

 こんな呪いを受けてまで助けた兄は、

 この体に呪い殺された。

 まるで悪趣味なコメディだろう?」


いや……流石の俺も、それは笑えない。


「腹ただしいなぁ…一体誰がそんな呪いをかけたんだ?」


曲がりなりにも、俺は勇者な訳だ。

後で強くなったのなら、

そのクソッたれを成敗する事になるだろう。


出会った時にヘラヘラしてると決まりが悪い。


名前くらい聞いておこう。


「呪いの根源は…ゲルドパン。

 虚神ゲルドパンだ」


—————————————————————————————————————


「少し眠らせて欲しい」と、ヒーリアは言った。


色々と持て余した俺は、物思いにふけりながら

無意味に小屋の周りを、うろうろと歩き回った。


アニメや漫画を、でたらめにあさっていたおかげで、

こういう物事を理解するのは得意な方だ。


その頭が、様々な憶測を飛ばしている。


前に聞いた話なら、虚神ゲルドパンは、大昔にもう倒されていて、

なんか…原子力発電所みたいな施設の核に使われているらしい。


そのゲルドパンから呪いを受けたって言うと……

ヒーリアの年齢では、なんか辻褄が合わない気がする。


それに、なんでまた、そんな物騒な呪いをかけたのか?


「…考えても仕方がないか」


創作物ではよくある設定だけど、

『神々の考えは、人類には理解できない』らしい。


まぁ、何にしても、これはお手柄だ。


虚神ゲルドパンに関する、貴重な情報を持った人間を見つけたんだ、

ヒーリアを、王国の人間と引き合わせるのが良いと思う。


きっと俺よりも、賢く、上手く、話を整理できる人が居るだろうし。


ヒーリアの回復を待ってから、また王族の別荘に戻ろうか、

その頃には、あの暗殺者のミミナミも諦めて帰ってる事だろう。

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