愛の形と本当に怖いもの
俺は龍希、人には中々話せないが彼氏がいる、そうだ、俺は男も好きになってしまう人間だった
少し前飲みに行って酔った勢いで送ってしまった、でもそれを受け止めてくれたのが今の彼氏なのだ
「龍希くーん!買い物行こ〜」
「はーい」
同性…それ以外は"普通"のカップル、正直…周りの目が怖い
ショッピングモールに着いた、彼氏はどこに行きたいのだろう
「服見たかったんだ〜」
「見よう見よう」
「ねえ、龍希くん…」
「ん?どうした?」
「たまには手…繋ご?」
俺は周りが怖く外で手を繋いだりなどが出来なかった、怖いのだ、周りが…
「外…では」
「龍希くんが拒否しても僕はするからね!」
無理やり手を繋がれてしまった
…あぁ、でも、、凄くあったかい、スベスベした綺麗な肌、ずっと、繋いでいたい…
「あの人たち同性カップルってやつじゃない?w」
「ちょ、聞こえるってw」
…そうだ、当たり前だ、同性なんて、"普通"じゃない
「…龍希くん、行こ」
手を引っ張り人の少ない所へ向かっていた
「ごめんね、龍希くん」
何も悪くない、何も悪くないんだ…言わなきゃ、俺のせいだと、俺が…好きになってしまったから
「……俺が悪いんだ、本当にごめん」
「龍希くんは何も悪くないよ!」
「俺の、せいだよ」
あの時、好きになってしまったから
あの時、"思いを伝えてしまった"から
「龍希くん……」
「……俺たち、さ、もう、別れよう」
「…ふえ」
「俺なんかといたら、これからも……」
「龍希くんがいい……僕は…龍希くんが」
「…いい子だから、異性の恋人を作ってくれ」
「俺とこれからも一緒にいれば…これからも周りから冷たい視線を……」
「ッッ…、」
抱きついてきた、今までにないぐらい…強い力で…泣きながら…抱き締めてきた
「龍希…くん……が…良いの」
…俺はいつもそうだ、泣かせてばかりだ、親も…恋人も……俺は泣かせるしか出来ないのか
「やだ…よ………龍希くんが…いぃ……の」
静かに背中に腕を回す、抱きしめ返すように…
「俺も……ずっと一緒がいい」
「龍…き、くん……」
赤の他人の視点なんかよりも怖いものがあった、それは…この幸せな時間を無くすこと……それが一番怖かったんだ
「俺が…守る…ごめんな」
「龍希…くん……うぅ……っ」
そうだ、俺が守らないと…
こんな俺を、中身を愛してくれているのだから