第7話 その他の能力、調べてみた
前回のあらすじ
オーディンと契約した春風君、ユニークな力に目覚める。
神達の悲鳴のような叫びをよそに、春風は他の能力についても調べることにした。
(さっきのと同じ要領でやればわかるかもしれない)
そう考えて、まずは能力値の部分に触れてみると、また新たなウインドウが現れて、そこには次の文が記されていた。
生命力……その人の命の総量。0になった時、その人は完全な死を迎える。
魔力……生命力の次に大事な能力。魔力を用いた行動をすると消費する。
持久力……魔力と同じく生命力の次に大事な能力。物理系の技を使うと消費する。
筋力……物理攻撃力に影響する能力。高くなるにつれて重い武器を扱えるようになる。
耐久……物理防御力に影響する能力。高くなるほど肉体系状態異常にも耐えられるようになる。
知力……技の威力や魔力を用いた回復の量に影響する能力。高くなるほど新しい技や術を閃く確率が上昇する。
精神……物理以外の防御力に影響する能力。高くなるほど精神系状態異常を無力化する事ができる。
敏捷……素早さに影響する能力。高くなるほど敵の攻撃を回避できるようにもなれる。
運勢……運の良さに影響する能力。数値ではなく言葉で表記され、状況によって変化する。
魔力属性……その人が持つ魔力の属性。通常は一つのみだが、たまに複数持っている者もいる。
所持スキル……その人が持っているスキル。様々な種類が存在している。
装備……その人が身につけている武器や防具、アクセサリーのこと。
称号……その人が手に入れた二つ名のようなもの。称号によっては様々な特性を秘めているものもある。
説明を読み終えた春風は、改めて自身の能力値を見た。
生命力:500
魔力:1000
持久力:750
筋力:70
耐久:70
知力:150
精神:300
敏捷:90
運勢:普通
春風は心の中で感想を呟く。
(能力的に後衛寄りなのはわかったけど……精神の数値高いなオイ!)
これには普通に驚いた。なぜなら、春風は自分の事を精神的に脆いと思っていたからだ。
(あと運勢が『普通』って何だ!? 良いのか悪いのかどっちだよ!? それともどっちでもないってかコラァっ!!)
声には出さず心の中で叫んだ後、春風は次に魔力属性について調べた。
魔力属性:無、風、火、水、土、光、闇
(使える属性は7つか。漫画とかゲームだったら全属性が使えるって事なんだけど、この場合はどうなんだろう?)
考えた結果、属性についてはひとまず置いておくことにし、次は所持スキルについて調べることにした。
スキルの名前に触れると、説明文が記されたウインドウが現れた。
魔導式構築……様々な魔法、魔術などを生み出すために必要な術式を構築するためのスキル。生み出した魔法、魔術は自由に扱うことができる。ただし、使用するには特別な道具を必要とする。消費魔力:100。
魔石生成……自身の魔力を消費して魔力の結晶体「魔石」を生み出すためのスキル。消費する魔力の量と質によって、より大きく、より純度の高い魔石を生み出すことができる。消費魔力:10〜。
魔導具作成……魔石やレシピ、さらにその他材料を使用することで、魔力を秘めた武器や道具「魔導具」を生み出すためのスキル。作った魔導具は自由に使うことができる。消費魔力:100、消費持久力:100。
(うわぁ、魔導具作成だけは魔力だけじゃなく持久力も消費するのか。使い所を考えないといけないな)
スキルについて調べ終わると、次は装備について調べることにした。
常陽学園学生服……通っている高校の学生服。防御力:30 。
お守り……高校入学祝いに「師匠」と呼ぶ女性に貰った物。
(良かった、制服にはちゃんと防御力がついてたよ。お守りは……うん、スルーしよう……って)
伊達眼鏡……度が入ってないアクセサリーとしての眼鏡。防御力:10。
(そういえば眼鏡かけてたの忘れてた)
ここへきてようやく自分が眼鏡をかけていたことを思い出し、春風はハハハと乾いた笑い声を出した。
そして最後に称号を調べることにした。
異世界(地球)人……別の世界の人間であることを示す称号。普通の人間の10倍の能力を誇り、レベルアップ時にもらえるボーナスポイント(以下BP)も10倍になる。BP:1レベルアップ時1000ポイント。
神(地球)と契約を結んだ者……神と直接契約を結んだ者。契約した神によって様々な恩恵を得ることができる。
契約神:オーディン
恩恵:魔力属性の追加と、あらゆる魔法、魔術等の適正上昇。
固有職保持者……異端の職能「固有職」に目覚めた者。目覚めた職能によっては戦闘系職能と生産系職能、両方の特性を併せ持つ。
(はは、異端ときたか)
全ての能力を調べ終えると、春風は無言でステータスウインドウを閉じた。
「どうだったかな?」
オーディンの質問に春風は、
「正直、すごく良いと思います。けど……」
「けど?」
「良すぎて使いこなせる自信がないのと、これだけでは足りないという思いがあります。欲張りなのはわかっているのですが……」
するとそこへ、ずっと黙っていたアマテラスが、
「だったらさぁ」
「?」
首を傾げる春風に、アマテラスはニコリと笑って、
「スキルの追加、やってみる?」
次回、春風君、さらにスキルを増やします。