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ユニーク賢者の異世界冒険記  作者: ハヤテ
第1章
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第15話 初めての戦いと、新たな運命の出会い

前回のあらすじ


 質問を終えた春風君、マジでキレる。


 1年前。

 それは、春風が高校に入学したばかりの時だった。


 「春風、高校入学おめでとう」


 「ありがとうございます、師匠」


 「師匠」と呼ぶ女性にそう言われて、春風は照れ臭そうに言った。


 「はい、私からの入学祝い」


 そう言って、女性が差し出したのは、細長い木の箱だった。


 春風は喜んでその箱を受け取り、蓋を開けた。中に入ってたのは……、


 「これって……」


 「私特製の『お守り』よ。これが君をピンチから守ってくれるわ」


 「師匠……」


 そして現在。

 場所は、異世界エルードのファストリア王国。その王城の、謁見の間にて、春風はまさに、ピンチを迎えていた。


 「貴様ぁあああっ!」

 

 1人の騎士が、春風に向かって剣を抜いて襲ってきたのだ。


 春風は咄嗟に翔輝を横にいる他のクラスメイトの方へ突き飛ばす。


 そして、胸ポケットに入れた「お守り」の()()を手に取って、振り下ろされた騎士の剣を弾いた!


 ガキィンッ!


 「んなっ!?」


 剣を弾かれ、呆然となる騎士。


 春風は、その一瞬の隙を見逃さなかった。騎士に向かって勢いよく飛び出し、その顔面に飛び蹴りをかました。もちろん、ただの飛び蹴りではない。融合スキル[体術・真]によって、強化された飛び蹴りだ。


 「グアァッ!」


 春風の飛び蹴りをもろに受けた騎士は、その勢いで後ろの壁に激突し、そのまま気を失った。


 スタっと着地した春風は、そんな状態の騎士を見ると、ハァと息を吐いて、


 「危ないじゃないですか」


 『ちょっと待てぇえええっ!』


 「!?」


 ウィルフリッドだけでなく、小夜子とクラスメイト達のいきなりの叫び声にギョッとなった春風。そんな春風に、ウィルフリッドは問い詰める。


 「そ、其方、今、思いっきり騎士を蹴り飛ばさなかったか!? というか、今、()()で騎士の剣を弾いたのだ!?」


 「なにって、コレですけど……」


 そう言って、春風は右手に持ってるものをウィルフリッドに見せた。


 見たところ、それは長方形の細長い黒い棒のようなものだった。


 春風はウィルフリッドだけじゃなく、小夜子やクラスメイト達にも見えるように、その棒のものを()()()()()()。よく見ると、それは棒ではなく細長い金属の板を重ねたもののようで、広げた時、金属が擦れたような音が鳴った。


 その瞬間、ウィルフリッドは()()が何なのかを理解した。


 「それは、もしや扇……いや、『鉄扇』か?」


 それを聞いてざわざわしだす一同。その時、双子の姉弟、流水と水音は、思い出したように叫んだ。


 「「師匠の『お守り』!」」


 そう、1年前に春風が「師匠」からもらったのは、鉄製の扇ーー鉄扇だった。


 正体を知った他の騎士達は怒りで顔を真っ赤にした。


 「ふ、ふざけた真似をっ!」

 「許さんぞ!」


 そして、今度は2人の騎士が春風に襲いかかった。


 すると、春風は不敵な笑みを浮かべて、


 「ちょうど良い、アンタ達で……」


 ーー()()()()()()()()()()


 「ま、待て! 彼を殺してはならん!」


 その言葉にハッとなったウィルフリッドは、すぐに騎士達を止めようとしたが、怒りで我を忘れた彼らは止まらなかった。


 騎士達は剣を抜いて春風に斬りかかる。


 だが、


 (スキル[気配遮断]、発動)


 振り上げた騎士達の剣が、春風に向かって振り下ろされた。しかし、そこに春風の姿はなかった。剣が振り下ろされる瞬間、[気配遮断]のスキルで、自身の気配を消した剣を避けたのだ。


 「い、いない」

 「ど、どこにいった!?」


 「ここだよ」


 「「!?」」


 すぐ近くに現れた春風に驚く騎士達。春風は彼らの剣を握る右手に、閉じた状態の鉄扇を振り下ろした。


 「フッ!」


 ガンッ! 


 「うぐっ!」


 ガンッ!


 「ぎゃっ!」


 握っていた剣を落とし、右手を押さえて痛がる騎士達。しかし、春風は止まらなかった。


 春風は右手に持っていた鉄扇を左手に持ち替え、右腕の袖をまくると、意識を集中して、


 (融合スキル[魔力制御]、発動。右腕内部に魔力を流して、腕力を強化)


 と、心の中でそう唱えた。


 すると、多少筋肉はあるがまだまだ細身の春風の右腕が、いっきにマッチョの如く太い筋肉のある腕へと変貌した。


 春風はその変貌した右腕で、騎士達の頬を、思いっきりビンタした。


 バチーンッ! 


 「ぎゅえええっ!」


 バチーンッ!


 「ぐぇえええっ!」


 強化されたビンタをくらった騎士達は、ギュルギュルと体を回転させながらふっ飛ばされ、最初に倒された騎士と同じように壁に激突。そのまま2人とも、意識を失った。


 そんな状態の騎士達を見て、春風は再びハァと息を吐くと、


 「俺、無意味な暴力は嫌いなんですけど」


 「嘘を申すなぁあああっ! 騎士を2人も思いっきりぶちのめしてるではないかぁあああっ!」


 怒りにより口調がおかしくなっているウィルフリッドに、春風は笑顔で言う。


 「そんなことより、ここを出て行く許可をください」


 「そんなこととはなんだぁあああ! この状況でなにを普通に頼んでいるのだぁあああ!」


 春風とウィルフリッドのやりとりに、王妃様、王女2人、他の騎士達、さらに小夜子とクラスメイト達も、開いた口が塞がらなかった。


 だがしかし、すぐに残りの騎士達が我に返って、一斉に剣を抜いた。


 「お、おのれ貴様ぁあああ!」

 「よくも仲間をぉおおお!」


 さらに、今度は神官達も、


 「神に逆らう愚か者め!」

 「成敗してくれる!」


 そう言って、全員何やら呪文のようなものを唱え始めた。


 (ゲェッ! ちょっとやり過ぎたかな!?)


 ちょっとだけ後悔しながらも身構える春風。


 その時だった。


 「コラァアアアアッ!」


 どこからか響き渡る怒声。それが聞こえた次の瞬間、


 「グェッ!」


 神官の1人が、上から落ちてきた()()()の下敷きになった。


 驚いた春風が、その落ちてきた()()()を見てみると、そこには動きやすそうな真っ赤な服を着た、白いショートヘアの少女だった。


 少女は神官からジャンプして、背中を向けた状態で春風の前に立つと、その手に短い棒の両端に小振りの片刃剣をつけたような武器を構えて、


 「突然ですが、私、リエラといいます! 助太刀させてください!」


 これが、数奇な運命を共にすることになる少女、リエラとのファーストコンタクトだった。

 


 


 

 


 

 


 


 

 


 

 


 



 

 今回、小説で初めて戦闘シーンを書きました。といっても本当に初めてですので、ちゃんとうまく書けているのか不安ですので、面白くなかったら大変申し訳ありません。

 

 次回、春風君、少女リエラと一緒に戦います。

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