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ユニーク賢者の異世界冒険記  作者: ハヤテ
第1章
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第11話 語られたのは、滅びの予言

前回のあらすじ


 エルードに降り立った春風君、担任&クラスメイト達の無事を確認する。


 春風と小夜子とクラスメイト達に視線を向けられるなか、国王ウィルフリッドはゆっくりと口を開いた。


 「はじめまして、勇者達よ。私は、ウィルフリッド・エルネスト・ファストリア。先程、我が娘であるユリアンナの言った通り、このファストリア王国の国王を務めている。そして、妻のマーガレット・シェリル・ファストリア。あちらにいるのは、もう1人の娘で第2王女の、メルフィアナ・エルサ・ファストリアだ。よろしく頼む」


 そう言って、ウィルフリッドはもう1つの玉座に座る自分の妻と、その向こうの壁際で女性の騎士と共にいるもう1人の王女であり娘である、ユリアンナと同じドレスに身を包んだ少女を紹介した。


 「突然のことで困惑しているところを申し訳ないのだが、どうか聞いてほしい。其方達を召喚した理由と、この世界に迫る危機を」


 真剣な表情のウィルフリッドの言葉に、謁見の間の中はシーンと静かになった。

 その様子を見て、ウィルフリッドは続ける。


 「実は今まさに、この世界エルードは滅びの危機に瀕しているのだ」


 その言葉に、ザワザワと狼狽だす春風を除いたクラスメイト達。そんな中で、小夜子は彼らを安心させるために毅然とした態度で質問した。


 「あの、『危機に瀕している』というのは、一体どういうことなのですか?」


 小夜子の質問に周りから、


 「無礼だぞ!」

 「陛下に対して!」


 といった怒鳴り声が聞こえたが、ウィルフリッドは「よい」と制して、質問に答えた。


 「その質問に答えるために、少し昔の話をしよう」


 それは、今から500年前のことだった。

 その頃この世界は、2柱の悪しき邪神によって支配され、人々は彼らと、彼らから生まれた悪しき種族によって、長い間苦しめられていた。

 しかし、そんな状況を終わらせるために立ち上がった5柱の神々と、彼らの加護を受けた戦士達によって、邪神は封印され、彼らに生み出された種族は散り散りになった。

 こうして、世界は5柱の神々に見守られながら、平和な時を過ごすようになった。


 「だが……」 


 「だが?」


 「今から10数年前、1人のとある人物が、死ぬ間際に恐ろしい『予言』を遺したのだ」


 「恐ろしい……『予言』ですか?」


 「そうだ。それは、『邪神の加護を受けた2体の()()によって、5柱の神が殺され、世界は終焉を迎える』というものだ」


 ウィルフリッドが告げたその予言に、再び狼狽だすクラスメイト達。小夜子も少し驚いている様子だ。


 「もちろん、最初は信じる者など誰もいなかった。しかし、1年前にその予言が現実のものになるかもしれぬ事態が起こったのだ」


 「そ、それは……一体何が起こったのですか?」


 恐る恐る質問する小夜子に、ウィルフリッドは答えた。


 「悪しき邪神の1柱が、500年の封印から目覚めたのだ。邪神はその後、辺境の地で拠点を作り、そこで強力な魔物を生み出して世界中に放ったのだ。恐らく予言の悪魔とは、その邪神が生み出した魔物、もしくはそれを操る存在のことであろう」


 再び、シーンと静まりかえる謁見の間。そんな状況下でも、小夜子は質問するのを止めなかった。


 「それで……それと私達が召喚されたのと、どのような関係があるのですか?」


 「うむ。実は世界中に、邪神が作り出した魔物が暴れ始めてからしばらく経ったある日、神に仕える神官達が、5柱の神々の言葉と、ある命を聞いたのだ」


 それは、わかりやすく言うとこういうことだった。


 神々曰く、邪神が作った魔物は、どれも強大すぎてこの世界の人々では太刀打ち出来ず、もしかしたら自分達神々でさえも、勝てないどころか殺されるかもしれないという。そこで、他の世界から強力な力を持つ存在、すなわち「勇者」を召喚し、共に戦ってもらおう、ということだった。


 「そして神々より授かった勇者召喚の術式を用いて儀式を行い、その結果召喚されたのが其方達なのだ」


 と、説明を終えたウィルフリッド。その言葉に、クラスメイト達はもちろん、小夜子までも空いた口が塞がらなかった。


 ただ1人、春風を除いて。


 


 


 

 


 

 

 


 


 


 



 



次回、小夜子先生、怒ります。

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