プロローグ
あらすじでも書きましたが、初めての長編小説で、ずっと書きたいと思っていた職業ものの物語です。
「勇者召喚」。
それは、「魔王」や「邪神」といった強大な敵から世界を守る為に、別の世界から希望の救世主である「勇者」を召喚する為の儀式である。
だがもしも、その「勇者召喚」の所為で……世界が最悪の事態に陥ってしまったとしたら?
そして今、とある世界のとある王国にて、その「勇者召喚」が行われ、結果、別の世界から1人の女性と24人の少年少女達が、「勇者」として召喚された。
「ようこそおいで下さいました、勇者様方」
困惑している様子の女性と少年少女達に、その国のお姫様と思われる豪奢なドレスに身を包んだ少女が、優しく話しかける。
その様子を見て、少女の周りにいる者達は、
「これで世界は救われる」
と、安堵の表情を浮かべた。
しかし、そんな状況の中で、1人の少年が心の中で呟いた。
(……何が『勇者様方』だ!)
召喚された勇者達の1人である、眼鏡をかけた黒髪の少年は、周りに気付かれないように、目の前にいる召喚を行った者達を睨みつけた。そして、再び心の中で呟いた。
(お前らの所為で、俺達の世界が……『地球』が大変な事になったんじゃねぇか!)
召喚を行った者達に対して、強い怒りの眼差しを向ける少年。
一体何故、彼はここまで怒りをあらわにするのか?
それは、少し前にとある存在から聞かされた、ある「とんでもない事実」が原因だった。
次回、少年の物語は、少し前に遡ってから始まります。
本日はもう一話投稿する予定です。