03 牛肉が食えれば何でもいい
「今日も学食ジャガイモか〜」
「芋!芋!芋!はぁ〜これじゃ飽きちゃうよなぁ」
「芋にコーンを添えて……あと野菜が少々。毎日こんな感じよね」
学食の生徒たちはいつもメニューに苦言を呈している。それは世界状況的に言って仕方のないこと。それでも不平不満は口から出るものである。
しかし、とある少女がひとりあることを思いついたのだった。
「牛飼えばよくね……!?」
農業高校でもないアベンジャーズ学園の生徒たちが牛を繁殖させることなどできるはずもなく。また肝心のアダムとイブとなる牛たちをどこから調達すればよいのかも不明。
今日の議会は荒れに荒れていた。
「だからッ!街の本屋なり図書館を奪還すべきなのです!まずは知識が無ければ牛肉など夢のまた夢!」
「いやいやまず牛をどこから連れてくるというのだ。ここはもと東京だぞ」
「我々は肉に飢えている。まずは皆に肉の味を思い出さすべく、手近なところの食料品店を漁るべきだろう。電源が落ちていなければの話だが」
「あーでもない」
「こーでもない」
議会の端でひとりタバコを吸う少女がひとり。ペロナだ。
(ま〜た不毛な話をしてやがる。食えりゃ芋でも何でもいいじゃねーか……)
門番ペロナの会議出席は義務付けられていた。何かと彼女のもつレズサイコガンが入用だからである。
そして今回もまた例にもれず……。
「ペロナ殿!牛を二頭北海道から連れてきてくれませんか!」
「バカかお前ら」
作戦はこうである。
先日奪還した領域に飛行場があったため、そこでヘリを確保しそれで北海道へ飛ぶ。そして牛を見つけたらクレーンの要領で吊り下げアベンジャーズ学園へと連れ戻るのだ。
ペロナは頭を抱えた。
「第一ヘリなんて女子学生が操作できるわけないだろ」
「そこならご安心を。科学部がいじって操縦まわりの簡易化をしました」
「まじかよ……」
どうやらマジで牛を連れてくるつもりのようだ。
「んで?牛つれてきても牧草やらなんやらもいるだろ、そこはどうする」
「科学部が餌用ペレットの開発に着手し始めたので」
「……牛の飼い方は?」
「奪還地区の中に本屋があったので今牛の飼い方のマニュアルがないか探しに行かせてます」
「…………」
どうやらマジで牛肉を食べるつもりだ。
ペロナは頭を抱えた。
「ではペロナ殿!万一に備えヘリの護衛として乗り込んでください!」
「わぁったよ……はぁ」
こうして大規模なミッション、牛肉ひゃっほい作戦が開始した……!