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6年後に戦地から帰ってきた夫が連れてきたのは妻という女だった  作者: 白雲八鈴
炎国への旅路編

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34話 奴隷の制御石

 私の足元には雷撃弾を受けて痺れて横たわっている二人がいます。

 何か言っていますが、痺れているせいで何を言っているかわかりません。その二人を跨いで、船の中を歩いて行きます。


 しかし、先程から上の方から人の声とせわしなく駆けて行く足音が響いているのが気になります。声と足音がするということは、そこに人がいるということでしょう。


 上から音がしますので甲板でしょうか?取り敢えず上に向かえばいいですかね。

 甲板に出るまでに数人と遭遇し、皆さん痺れてもらいました。しかし、気になったことが・・・マルス帝国が裏にいるにしては、軍人が配置されていません。

 出会う人は魔術を多少使えますが、訓練された軍人のように機敏に対処するわけでもなく、アワアワと驚いて攻撃しようとしてくるぐらいです。魔武器を持つ人なんて一人もいません。

 どういうことでしょう。サウザール公爵の名前を出していましたので、帝国が関わっていることには間違いはないのでしょうけど。


 段々と音が近くなってきます。風も感じることから外が近いの出たのでしょうか。登り口の階段に身を隠して、氷の魔術を使って氷鏡を作り出し、音のする方向に向けます。

 その光景に唖然としてしまいました。多くの獣人の方たちがあちらこちらに移動して行ってます。もう少し氷鏡を斜めにしますと大きな帆柱が立っており、空いっぱいに帆布が張られています。やはり帆船でした。どうやら、マストの調整のため奴隷である獣人の方々が甲板や帆柱を行き来しているようです。


 しかし、フィーディス商会の船は魔石を原動力とした船でしたのに、帝国が関わっていると思われる船が帆船だなんて、驚愕な事実です。

 いえ、待ってください。もしかして、帝国に関わりがないと見せかけるためにワザとそのような船にしたのでしょうか。


 炎国に入国するためにはそれなりの理由が必要です。例えば、船が故障したとか、物資の補給でしたら、その間だけ入国ができるかもしれません。

 巫女という人を探す要員を炎国に入国させ、巫女を確保次第出港し、炎国から離れもし調査されても帝国とは無関係なフリをするという感じでしょうか。

 そして、この船ごと切り捨てられる。元々失敗をすることが想定されたサウザール公爵らしいやり方です。


 しかし、困りました。動力部である魔石を破壊をすれば事が済むと思っていましたら、奴隷を使って運航しているだなんて。

 それも帝国の奴隷と思える私が作った奴隷を制御するための青い石が額に埋め込まれています。

 流石にこれは面倒です。


 奴隷と契約している者が、侵入者を攻撃しろと命令すれば本人の意思と関係なく、私を攻撃してくるでしょう。こんなに多くの獣人の方々を傷つけずに制御石を解除するのは流石に無理です。


 ここは一番最後にして、他の人達の動きを止めてしまいましょう。あまり時間をかけてはいられません。


 しかし、ここを確認したら動力源を探して船底に向かうつもりでしたが、その動力源を探す必要もなくなりましたので、操舵室に行きたいのです。それには一度、甲板に出ないといけなさそうです。どうしましょう。


 うーん・・・思いつきません。もう一層のこと皆さんに痺れてもらった方が・・・ダメです。ダメです。獣人の方々は何も悪くありません。


 時間をあまり掛けていられませんので、その場を離れ、船尾の方に向かっていきます。突き当りまで行きますと私が居た部屋に戻ってきました。床の上には痺れて動けなくなっている二人が船首の方に這って行こうとしておりましたので、もう一発ずつ雷撃弾を打っておきます。

 そのまま部屋に入り突き当りの壁を殴って壊します。身体能力特化しておりますので、あっさりと木の壁が壊れていきました。


 ありました。思っていたとおり舵柄が天井から船尾に掛けて繋がっています。そして、天井に刺さっている木の棒の少しズレた所を雷撃弾を打ちますとドサリと床に倒れる音が天井に響きました。


 少し待ちますが、倒れた人に駆け寄る素振りがありません。どうやら、操舵室には一人しかいなかったのでしょうか?


 浮遊の腕輪を使い天井まで飛んで少し離れたところに穴を開けます。顔を少し出して辺りを見渡すと、狭い部屋に正面にと思わえるところに窓があり、そこから光で部屋の内部が見えましたが、ああ、なんてことでしょう。操舵室にいる人物もマルス帝国の奴隷の方でした。それも私が見たことのない種族で詳しくはわかりませんが、痺れて目の焦点が合っていないその顔には鱗のような物が見えます。


「ごめんなさい。直ぐに治します。」


 私は穴から出ていき、痺れて動けなくなった方に手をかざします。


「『癒やしの光』」


 そして、額にある制御石を解除します。青い石に触れ


「『我が名、ユーフィアの名において強制停止を命じる。』」


 これは私のみが使える解除の呪です。私が作り出した魔道具全てにおいて強制的に機能を停止する呪文です。

 横たわっている方の額に埋め込まれていた青い石は液体になり流れ落ちていきました。


「あ・・・頭に響く声が無くなった。」



 セリフが最後にしか出てきませんでした・・・今回、読みにくくてすみません。

 まとめると部屋から出て、戻って来て破壊してジャンプって感じです。




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