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灰色景色  作者: 焼ミートスパ
第四章 黒霧景色
98/107

98 雪子、出版に物申してみた

「『生きてピンピンしているのに自筆の伝記とかマジ受ける~』なんですけど」


雪子はドラマで仕入れたネタを使って精いっぱいの嫌味を言っていた





・・・小学生でもも少しマシな嫌味を言うぞ?、というツッコミはダメである


人間だれしも初心者だった刻はあるのである





いままで優等生で良い子ちゃんだった雪子は嫌味デビューをしたばかりなのだ


温かい目で見守っていくべきである




もっとも言われた麗華の方はというと


「#$%&+*?」


なにやら叫んでいたのだが雪子は理解できていなかった





人間あまりにも常識からかけ離れたことを言われると理解できないのをはじめて体験していたがこれは苛めっ子と会話した時のアルアルネタである


普通の苛められっ子はそれを無理に理解しようとして疲れ果てるためにイジメが有耶無耶にされるというのも追加のアルアルネタである


・・・過去に何人の苛められっ子が混乱のうちに和解させられ涙を飲んだというアルアルネタはさすがに洒落にならないので言わないのがお約束である






話を戻す



雪子いじめられっこ麗華いじめっこに精いっぱい嫌味を言っていた


なにせ相手(の祖父)がわざわざ(出版という自爆までして)弱みを見せたのだ


使わない手はなかった




大スターでもないのに自伝とか正気の沙汰ではないのだがそれが判らないのが政界の人間


政界の常識は一般社会の非常識


国民の誰もが知っている常識であるがなぜだか政治家には知られていなかったりする


・・・国民の中に政治家が含まれていないだけじゃん、と言ったツッコミはいらない




まあだから雪子としても好都合な訳である


読んで、いや正確には真面目に読むと魂が汚れるような気がしたのでパラパラと流し読みしただけで、嫌味を言うネタがてんこ盛りなのだから嗤いが止まらなかった



・・・政治家じぶんの後援会の人間くらいしか喜んでいない事にきがつかないのにも嗤えたりするのは言わないお約束である






「なんで首相になると皆さん自伝を出版しようとなさるのでしょうね」


雪子は思いっきりバカにしていた


それを聞いて元首相の孫娘の麗華は怒りまくっていた


それはそうである


大好きな祖父を貶されたのだ





おまけに元首相という偉い肩書に対して敬意を払わない雪子は麗華とって完全な悪


怒って当然であった




でも雪子としても声を大にして言いたかった


「10年後に(ネット)書店になさそう、いやフリマアプリにも出品されていなさそうな駄作を出してくれるな」


首相なんだから国民の半分が自発的に購入するくらいの立派な本を出してください、という主張も間違っていなかった




どちらも正しく、どちらも間違っている


世の中完全な悪と、完全な正義はないのである





だから苛めっ子達は何やってもゆるされると勘違いする


そんな土壌がイジメを産むのである



だったらそれを利用して苛めっ子達に物申しても良い


それが今現在の雪子の生きる道



・・・イジメで自殺をする苛められっ子にはぜひ同行して貰いたい道である

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