95 冷泉院雪子の愉しみ
「『美しい椅子』でしたかしら?、楽しく読ませて頂きましたわ」
冷泉院雪子が言うと大山田麗華は
「おじいさまは立派な方ですわ!」
と無駄に大きい胸を張ってきました
・・・雪子だって歳相応にありましてよ?
思わず言いそうになりましたけどいいませんでしたわよ?
関係がないことを言って墓穴を掘る訳にはいきませんもの
・・・雪子も成長したものですね
どうでも良い事にまで注意がいくようになりましたもの
こほん
話を戻しますわ
高校でイジメを受けました
口撃でやりかえしました
苛めっ子の評判がガタ落ちになりました
ついでにその婚約者の評判もガタ落ちになりました
婚約者の方に突撃されました
雪子が嫌味を言いました ←いまココですわ
それが冒頭ですの
以前の雪子ならば『良い子ちゃん』でしたので人の悪口を言うことはなかったでしょう
両親や踊りのお師匠様やお茶のお師匠様、そして姉弟子といった人格者の方々との交流ばかりしていましたの
おかげ?でイジメをするような下品な方々とは無縁でした
そのせい?でイジメをされても防御することができませんでしたわ
・・・本当に愚かでしたわ、少し前のわたくし
両親に殴ってでも立ち向かえるような強い娘に育ててくださいまし、と言いたいですわ
まあ過去の反省はこのくらいにしておきましょう
自分の立ち位置が冷静に判るほど成長したことを褒めてくださいまし
・・・まあ以前の雪子がおバカだっただけの事なんですけどね
できの良い両親を持つと娘が苦労するという見本でしたわね
でも今のわたくしは違いましてよ?
売られた喧嘩は見事に買ってみせますわ
と言う訳で、突撃してきた方に嫌味を言ってみました
喧嘩を売ってきた方の祖父が首相に就任した際に書いたという本について
『くだらなすぎて呆れますわ』
と遠まわしに嫌味を言ったところ
「そうでしょう!」
と自慢されてしまいました
・・・嫌味を間接的に言ったわたくしが悪いのか、通じない方が悪いのか、どちらでしょう




