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灰色景色  作者: 焼ミートスパ
第四章 黒霧景色
94/107

94 麗華3

「私は大山田麗華よっ!」


ようやく自己紹介が終わったことに雪子は喜べば良いのか、何時間かかったのかと嘆けばよいのかと、真剣に悩んだ方が良いのかしら?と思った


・・・この場合、嗤うのが正解である







現在までの状況を説明しよう




雪子は先日知らない人間れいかに不当に罵られた


なので(嫌がらせも兼ねて)苦情の電話を入れてみた


早い話、元首相の第三秘書にメールをした訳である


もうこれで来ないだろうと一安心してホテルのロビーで日課の午後の紅茶を飲んでいたらなぜか再び麗華ばかが目の前にいた





(嫌がらせをかねて)苦情を入れたのに全然改善していない


嗤えば良いのかな?


それもと怒ればよいのかな?


雪子は真剣に悩んだ




真面目な話、正解を知っている人がいたら教えて欲しい雪子だった




正解は


麗華ばかに関わらない


であるが残念なことに雪子せいちょうとちゅうのわかものは気付かなかった





まあ雪子が格段に愚かという訳ではない


大抵の苛められっ子が同様の存在である


苛めっ子やそれを擁護するバカな教師の相手を真面目にするから有耶無耶にされるのだ


まさに苛められる方にも問題がある、である





・・・なお上のセリフを言っていいのは苛められた本人だけである


もしも苛めっ子や保身に走った教師が言ったなら助走をつけて殴ることをお勧めする







余談だが雪子が知らないはずの突撃された少女はんにんの名前を知ったのはホテルのスタッフに教えてもらったからである


できるなら苦情を入れておいた方が後々面白いかしら?


そう思い駄目元でラウンジの従業員ウエイトレスに聞いてみたら知っていた


さすが冷泉院のホテルの従業員


接客業の本気を知った雪子だった





誰も気が付かなかっただろうから念のために言っておくが他人に聞けるスキルを身に詰めたというのも雪子の成長の証である





苛められっ子は大概、苛めっ子よりも頭が良いため、自己完結して他人を頼らない傾向にある


だからイジメが発覚しにくい上に、被害が大きくなるのである





イジメが発覚した後によく言われる


「なぜ苛められっ子は教師なり親に相談しなかったのか?」


の答えがまさにそれである




無駄にプライドが高いから人に頼らない


だから被害が拡大するのである


まさに苛められる方にも問題がある、である





だが嫌がらせのためとはいえ他人ウエイトレスとの関係を自ら行った雪子


まさに成長していると言ってよかった









閑話休題はなしをもとにもどす




苦情を入れたにも関わらず再度襲撃をされて雪子は戸惑い


・・・世の中にはおバカな方しかいないのかしら?


そう思った





自己紹介もせずに


雪子てめえのせいで麗華あたいの評判は地に落ちた(意訳)」


との苦情を言ってきたのだから雪子がそう思うのも当然である




雪子の困惑をよそに麗華は


「ちょっと!聞いていますの!」


だとか


「あんたのせいでしょ!なんとかしなさい!」


だのギャンギャン騒いでいた





これに対して礼儀を尽くす?


お断りですわ


雪は0.1秒で拒否した


もしも諾としたら大切な何かを失うような気がしたからである






だから雪子は社交スマイルで


「言っている意味が判りませんが?」


と慇懃無礼な返事を返すことにした




まあ御存じの通り最善の手ではない





なにせすべて雪子が悪い


だから麗華わたしの悪い噂をなんとかしなさい


などと言うバカの相手をすることになるのである







とはいえ最善手を逃しているのは雪子だけではない


世の中の苛められっ子も、である


大事なことなので二度言ってみた


ぜひとも覚えておいて有事の際には実践して欲しいものである





まあたぶん無理だろう


それができるならイジメはなくなっている


今日も日本のどこかで苛めっ子相手に泣き寝入りしていることだろう


御愁傷様、である










一方雪子はイジメの一件から成長しているもののレベル1の初心者なため


「言っている意味が判らない」


と慇懃無礼な返事をすることしかできなかった





まあ相手いじめっこに主導権を渡さないというのが大事なのである


それができた雪子は尊敬されて良いかもしれない


あまく付けて48点といったところであろう






一方麗華はというは雪子に怒ることしかできなかった


なにせ麗華じぶんではなんとかすることができないのだから当然である


トラブルが起きるといつも他人に丸投げして自分では何もしないという強者つわもの


困難から逃げ続けてきたバカにトラブルを解決することなど無理だということだ





所詮は首相そふから数えて三代目の無能者


政治家の家系によくあるお約束のバカ娘というやつである






という訳で時には怒り、時には祖父せいじかの権力を使って他人に尻拭いさせてきたツケだと言えば判りやすいだろうか?



という訳で雪子にとってはヌルゲー、麗華にとっては超難関のクエストが始まった





なお雪子が


「あなたは誰?」


「苦情の内容は?」


と誘導すれば話は早いだろう


いやトラブルはすぐにでも解決するだろう


だが雪子は幼稚園児も同然の相手に手を差し伸べる気はサラサラなかった






まあ以前の雪子ならば優等生だったのでやっていただろう


そして相手に見下されて泣き寝入りをしていたことだろう


だが人間として成長中の雪子である


もうそんな失敗はするつもりはなかった


・・・昔の雪子じぶんならしたであろう愚かな行為を考えて夜に布団の上でゴロゴロ転げまわるのあ別の話である







という訳で雪子が


「意味がわかりません」


と言い続け


雪子あなたのせいで麗華わたしの評判が落ちたのをなんとかしなさい」


と麗華が言う全然かみ合っていない会話がエンドレスで3時間ほど続いた





その時の雪子の感想


もうお腹一杯なので次からは無視しよう




それはそうである


3時間も罵りあえば声も嗄れるというものである


好き好んでするバカはいないのである





これは実際にやった人間にしか判らないアルアルである


でもスカッとするので苛められっ子は一度はした方が良いイベントである





カラオケに限らずお腹の底から声を出すのはストレスの発散に最適なのだ


たとえ怒鳴り合いであったとしても(笑)






それに相手のことを思いやる心が欠片もない上に、自分の要求は100%通るのが当たり前の苛めっ子相手ならどんなに罵っても心は痛まないのである





・・・おかしな人間はどこにでもいるのね、とは雪子の談である




だからと言って知っていることを教えるつもりはなかった


自己紹介は人間の基本である


麗華バカが踊りたいのなら知らない振りしてせいぜい踊らせてやろう


雪子はそう考えた




麗華ばかに向かっていちいち教えてやる必要はないのである


どうせ「そんなことは知っている!」などと逆切れされるのが関の山


愚かさをさらけ出して自ら墓穴を掘り、勝ちを譲ってくれるというのだ


雪子に断る謂れはなかった






まあそんなことを知らない麗華は


『元首相の孫のわたくしの事は誰でも知っている』


と思いあがった考えの元、醜態を曝け出しまくった





もちろん雪子は知らない振りをした


相手いじめっこのペースに乗ってはいけない


これは基本である




・・・それが判らないため過去にイジメの罪をうやむやにされて涙した苛められっ子はおそらく100万はくだらないだろう


しかしそれは自業自得である


まさに苛められ(たことをうやむやにされ)た方にも問題がある、である


千載一遇のチャンスを自分から潰してどうなる、とすべてを見通す存在このしょうせつのどくしゃがいたら呆れたことだろう





もっとも雪子は間違えなかったので見事?に麗華あいてのペースを崩し、自爆させた




余談だが一連の出来事はきちんと手帳に記録済みである


相手が自ら自爆したのだ


勝てる勝負を捨てる謂れはないのである


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