表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
灰色景色  作者: 焼ミートスパ
第四章 黒霧景色
83/107

83 大山田首相、困る

「大変なことが起こりました!


なんと盗まれていた放射能を含んだ汚染水を積んだ車が海中から見つかりました!


海岸沿いの道路から海にダイブしたようです!


中に入っていた汚染水はどうやら海中に放出されたようです!」


アナウンサーがテレビの中で絶叫していた





時間は少し戻る


大室知事は放射性廃棄物貯蔵施設の所長から連絡を受けた




完璧だと思われていたのだが中身が漏れているのが見つかった


地中深くに保管されていたせいで見つけるのが遅れた


すでに地下水が汚染されていました




知事は頭を抱えた


学者どもは1万年先でも全然問題なく保管できていると太鼓判を押していた


なのに10年ももたずこの体たらく


まったく役に立たん!


腹が立ってきた




もっともどんなに学者がポンコツでもすべての責任は知事にくる


責任をとって辞任か?


裁判で有罪か?


社会的に抹殺か?!


ろくな未来が見えなかった





でも誰も変わってくれないから頑張るしかないのである




知事はくだらないことを言った学者どもを集め責任をとらせる意味も含めて対策案を出させた


もちろんTVでは学者どもの出した結論だと再三繰り返して言った


何かあったら道連れにするためである


半分やけになっていた





学者どもの言うとおりになんとか汚染水を集めたのはよかった


だがその量が予想よりも多く保管する所に困ってしまった




そこでコネと権力を使って予算を分捕り専用の施設を作った


まあ当然のことながらしっかり儲けは受け取った


金にがめつくなければ権力者などやっていられないから当然である





ところが汚染された地下水は意外に多くて施設はすぐに満杯になった


それはそうである


現実を知らない学者が机上の空論で捻りだした案がまともな訳がないのである


所詮は学問を盾に言うだけ言って責任をとらない奴らなのだ


要はTVで過激なことを言って受ければ良い


外れも問題がない


日本は学者を責めないという不思議な国なのだ


そんな奴らの言うことを真に受ける方がおかしいのである




といっても政治家は素人である


アイデアを考え付くはずがない


困ったので学者どもにまたしても丸投げをした





そうしたら海に捨てましょうとの案が出てきた


低レベルの汚染水は海に捨てるのが国際基準


他の国でもやっているので責められることはない


そう言ってきた




その提案に乗るしかなかった


もう満杯でタンクローリーをもってきて代理の施設として使っているのが現状だったからだ


なんならローリーをそのまま運転して海に流さばすぐにでも厄介なブツは無くなる


まさに夢のような案だった




ところが意外な所から苦情がきた


そんなことしたら獲った魚が風評被害で売れなくなると漁業関係者からクレームが来た




こちらは汚染水が溜まりまくってどうにもならない


苦肉の策で首相に縋った




最初は拒否された


当然である


そんなやっかいなことに付き合う道理はないのである




そこで知事は一緒に原発マネーを食い物にしたのをバラして心中だと脅し、海に捨てるのを押し切った


首相が会見を開き「国のため苦肉の策である」と言ったおかげで決着がついた





やれやれと思った所でまたもや問題が起こった


汚染水を貯蔵するために使っていたタンクローリーが1台なくなっていたというのだ





すぐさま警察に連絡を入れて内々に捜査をさせた


ところが痕跡が一切出てこなかった




タンクローリーを駐車していた貯蔵施設の敷地のカメラを始めとしてすべてのカメラに映っていなかった


そして目撃者皆無


警察の必死の捜査にもかかわらずすべてにおいて証拠が出てこなかった


これは完全にプロの技であるとまで警察に言わしめるほどであった





そして数日後、最悪の結果が待ち受けていた


問題のタンクローリは首相の地元で事故をしていたのだ





海沿いの道路を走行中に事故を起こして海にダイブしていた


当然搭載されていた汚染水は海の中


まさに最悪の結果と言って良かった





おまけに一体誰がタンクローリーを盗み出したのか?


どんな手を使って一切の痕跡を残さなかったのか?


何を目的としていたのか?


それらが一切判らなくなったのだ


捜査をしていた警察にとってもまさに最悪であった





一方、首相の方はというと


「なんてことをしてくれたんだ!魚が売れないだろう!」


といった第一報を知った際の激怒が週刊誌にスッパ抜かれたせいで最悪の事態を迎えていた





他の海なら捨てて良く、自分の地元なら駄目?


ふざけるな!


主に漁業関係者から突き上げをくらっていた





関係した全員にとって最悪の結果となっていた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ