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灰色景色  作者: 焼ミートスパ
第一章 灰色景色
8/107

8 主人公、母親から心配される

「雪ちゃん!」


家に着くなり雪子は母親の布由子に抱きつかれた





「え?あれ?今日は萌黄会だったのでは?!」


お出かけしていないはずの母親が居て雪子は驚いた




たしか今日は華道の派閥の集まりである萌黄会があったはずである


今朝、早くから準備のために大騒ぎしていた


昼すぎで終わる予定だが夜までかかるかもしれない、といったことを聞きた憶えがある





「自分の子よりも大事な用事なんてないわよっ!」


母親は泣いていた





運転手の村田から雪子が早退すると聞いて事情を察したようだった


おかげで雪子は無事を確認するために身体中を撫で回された





「大丈夫?痛いところはない?」


雪子の母親は一通り身体中を撫で回して無事を確認した後、頭をグリグリと撫で回された


幼い頃、雪子が公園で転んだ時と同じだった


それを思い出して雪子の目からは涙があふれた


昔から親には愛されていることを実感したからだ






昔から愛情を持って育てられた


今まではそうだろうなと思っていた


だがこうして行動に出されると改めて思い知らされた


雪子は無償の愛に包まれていたことに感謝し、涙した





また、イジメられたことをすまないと思った


一生懸命育ててくれたというのにイジメなんてされた


申し訳なくてさらに涙があふれてきた




実はいじめられる方にはなんの落ち度もないのである


いじめる方が100%悪い


だが学校という小さな世界しか知らないため雪子は勘違いをしていた




まあ、世の中のいじめられっ子も同じ勘違いをしている


そのため、結構多くの子供が自分から死を選んでしまうのである


なので雪子の頭が悪いというものではないのだが、ソレが判らないという時点で不幸である






母子でお互いに泣きながら抱き合った後、母親から言われた




父親とも話をして学校にはしばらく行かなくて良いことにした


そう手配しておくから何も気にせず休みなさい


落ちついたら出来る分だけでいいから話をしてね


とりあえず自室でゆっくりしなさい


お気に入りのお菓子を買っておいたから後で一緒に食べましょう






あと、父親は仕事を抜けられないので帰りが夜遅くなるが、合間をみてスマホに電話するそうだから出てあげてね


母親は最後にそう言うと背中をポンポンと軽く叩いて元気付けて部屋へ送り出した




雪子はちょっとだけ心が軽くなった

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