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灰色景色  作者: 焼ミートスパ
第三章 記録景色
65/107

65 雪子、記録を使う(その5)

「ではどんな関係でしょうか?」


コテンと可愛く首を傾けながら雪子は尋ねた




もちろん雪子は友人ではないことを知っている


いやそれどころかどこからともなく勝手にしゃしゃり出てきた自称の正義の味方


本当の姿は世間知らずのただの勘違い娘


・・・よく恥ずかしがることなく生きて居られるものである





雪子がさっさと


「友人ではない、それどころか言いがかりをつけてきたただの愚か者」


と言えば話が終わるかもしれない






だがソレは悪手である


虐めっ子は絶対に認めないからだ


苛めっ子のプライドは富士山よりも高い


・・・一体そのプライドの根拠はどこからくるのか?と言いたい






ほんとうにいいたい


あいてをさせられるこちらのみになってくれといいたい


いったいなにかんがえているんだよ


じょうしきあるの?


あいてをおもいやるこころってしっている?


しょうがくせいのときどうとくのじかんってあったよね?


じゅぎょうきいていたよね?


ひょっとしてのびたみたいにねていたりしたの?


だったらいまからでもいいからじょうしきをまなびなおしてくださいといいたい






こほん


なにか別の話が混線したようだ


気を取り直して話を続けよう





つい虐めっ子を虐めっ子と言ってしまう愚を起こしてしまう人間がある


まあぶっちゃけ虐められっ子のことだ





バカに向かってバカと言う


バカと言う奴がバカなんだぞ!という格言を知らないのかと言いたい




・・・言ってしまった場合、虐めっ子のことを愚かで常識知らずなバカなどと決して言えない存在になり下がるのであることを知る人間は少ないのである





せっかく勝てる話なのに自分で相手をバカだと言ってしまい負ける


そしてイジメが有耶無耶になる


過去に日本中で行われてきた虐められっ子の愚行である





まあ雪子はそんなバカではない


バカに自分でバカと言わせるようにした


いや言わせようとしていた





ゆきこに言われるから反発して話を誤魔化すのだ


だから自分の口ではっきり


『いじめをしました』


あるいは


『虐めっ子です』


と言わせるのが正しい戦術である





というわけで雪子は今まで一貫して


『なぜ?』


を繰り返して相手に言わせるようにしてきた




自分で直接言いたくなるのをガマンして、である





「・・・友達でないです・・・」


ついに鷹取菫子の口から希望の言葉を引き出した雪子は二ヤリとした





今までの苦労が報われた


心のそこからそう思った







なお雪子の邪悪な笑顔は誰にも見られることはなかった


自分の娘(あるいは依頼人の娘)が言っていたことがウソだったことが明らかになったのだ


途方に暮れるのも仕方がなかった







友達と喧嘩した


意地悪く嵌められた


口げんかをしただけなのに警察に捕まった


変な噂をばら撒かれた


親である冷泉院に虐められたと嘘を言ったため鷹取の家の評判が下がった


その他イロイロの全てが嘘だったのだ





その嘘に騙されてやらかしてしまったともなれば愕然とするだろう





非常識な人間を叱ったら実は自分が非常識な人間だったら?


まともな人間ならば死にたくなるだろう





「え~っと初めて会ったのが40日くらい前でしたね・・・」


雪子はメモを見ながら言った






「あ~、初めて言われた言葉が


『あなた一体何様のつもり?』


でしたね


これのどこをどうみれば友人になるのでしょうか?」


雪子は追い打ちをかけた






当然である


手加減や情状酌量をする必要はないのである






つい絆されて手加減するから話をちゃぶ台返しされてイジメをうやむやにされるのだ


そして泣き寝入りとなる


・・・はっきり言って自業自得のバカである





まあそんな先人達の失敗を知っている雪子は容赦をしなかった


そこで相手が『友人でない』と認めたら即座に追い打ちをかけたというわけである






『ざまあ』のフラグが立ったら即座に回収すると言えば判り易いのかもしれない?





そんな訳でフラグを即座に回収した上でさらに盛ってみた


菫子の自爆でダメージを受けた所にさらにダメージ


昔からある『傷口に塩』というやつである






「そういえば初めてお会いした時、どなたかと御一緒でしたわね?」


雪子はメモを見ながら言った


雪子の追撃は留まる事を知らなかった





さらに知らない情報が出てくるの?


と鷹取年長組と掛井弁護士はおののいた





もうお腹一杯なので勘弁してください


それが一同の本心だった






一方菫子の方は


『なんかヤバそうな気がする』


とおののいた




雪子は鷹取一家の様子からその内心を読みとった


自分の攻撃が有効であることを確認したため調子に乗ることなく淡々と追い詰めることを心がけた





慢心は失敗の元


勝利の美酒こうちゃが飲みたければ逸ることなく丁寧に仕事をする


そう注意しながら更に追い詰めて行った





まだまだ鷹取一家の悪夢は終わらなかった

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