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灰色景色  作者: 焼ミートスパ
第三章 記録景色
60/107

60 雪子、協議の場に引っ張り出される

「今までのことを謝罪いたします」


相手側の掛井弁護士がそう言うなり頭を下げた


それに同和するように鷹取家の面々も頭を下げてきた




「・・・」


雪子は何も言わなかった





協議の場に出ることになったものの話を進めるなんてことまで承諾した覚えはない


だから黙ったまま過ごした





いやもちろん手帳にメモはしている


何が起こったのかはリアルタイムで書かないと意味がないからである




さあどう決着つけるのか見物ですわ


雪子は完全に人ごとの傍観者になっていた




人は動けば動くほど弱みを見せるものだ


さあ自爆してくださいな


雪子の本心であった







・・・それでいいのか、とツッコミたい人間は多いことだろう


だが苛めっ子との対峙というのはこうすべきなのである


下手に口を開く、つまり動くと隙が出来てつけいられる


そしていつのまにか有耶無耶に話が終わっている


だから雪子のように何もしないのが最良なのである


ソレを知らないバカ・・・未熟者が多すぎるのが現実であった





話を少し戻す



鷹取家は冷泉院への連絡の窓口を絶たれたせいで雪子への謝罪が出来ない状態になってた




だったら代りに父親か母親へ謝罪すればいいのでは?と思われるかもしれないが、こちらも同様に絶たれていた


ちちおやのビジネス関係も完全にシャットアウト


布由子ははおやの伝統芸能関係も以下同文であった


親子そろって徹底していた




まあ当然である


親にしてみれば愛おしいわが子を虐められたのだ


許す訳が無いのである






もっともこの場合はレアな状況であると言える


子供を守るというのは親として当然の義務


ソレを知っている大人は多いだろう





だがどれだけの親がわが子を実際に守れているか?


と問われたらほとんの親がでできていないという回答がくるのが現状である





なにせ年間で何百いや、何千人もの子供が最悪の結果を迎えているのだ


親、いや大人の責任は大きいと言える





まあどんな人間でもぶっちゃけヤることをヤれば子供ができて親になれるのだ


多くの子供がクズ親によって捨てられているのも同然の環境にあると言って良い


この小説を読んだ人くらいはまともな親になって欲しいものである









閑話休題はなしをもとにもどす




困った弁護士はさらにその上を目指すことにした


要は冷泉院よりも上の存在を引っ張り出す、である




冷泉院は国内10位の企業グループである


それよりも上の存在があと9つある


よりどりみどりではないが、ツテを辿ればそれなりの家につながると言う訳である





もっとも見ず知らずではないが、関係の薄い鷹取のために積極的に何かしようとする人間はいない


そのためかなりの譲歩がなされた


・・・ぶっちゃけ国内6位の島津に多額の金を払ったという訳である





もちろん島津はきっちり仕事をした


実は下のモノからの仲裁のお願いというのはかなり多い


会社を経営していれば何かとトラブルが起こり易い


いや毎日のように起こっている


そして大半は自分達の力でなんとかなるが、例外的にそうならない場合がある


そんな時に仲裁を頼まれるのが島津などの上級国民セレブである




今回は冷泉院本家の方に話がいったというわけである


・・・島津と冷泉院の本家同士の話の内容に雪子が呆れるのはもう少し後の話である





冷泉院本家からのお願いという命令を受けたちちおやと雪子は仕方なく協議の場に出ることになった


もっとも


「出るだけですよ」


としっかり言質をとった上である






協議の場に出たのなら問題解決のために尽くすべきだ


出たからには解決して帰れ


謝ったんだから譲歩しろ


これ以上何を望むと言うのだ業突張り


等々の頭がおかしいとしか思えない台詞を言われると雪子が予想したからである




もっとも鷹取に肩入れする気がない島津は簡単に


「OK(意訳)」


と返事をよこした




なにせ約束したのは冷泉院を引っ張り出すことだけなのだ


それ以外の解決については自己責任である


ある意味島津もイイ性格をしていると言える





まあ『騙される鷹取の方がバカ』というのが島津の主張なのは秘密である





まあ自分勝手で我儘で常識と礼儀が無い鷹取家である


当然のことながら島津が後ろで目を光らせているので冷泉院が簡単にひれ伏すだろうと勝手に思っていた


また払うものを払ったので島津はこれから鷹取うちの味方であるとも思っていた


そのせいでひと騒動が起こるのだがそれはまた別の話である




「その態度は無礼ではないのかね?」


ある意味、予想通りの台詞に雪子は嗤えばいいのか、驚けばいいのか判らなかった

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