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灰色景色  作者: 焼ミートスパ
第三章 記録景色
57/107

57 雪子、交渉を拒否する

「お断りします」


雪子は弁護士からの提案をキッパリ断った





それはそうである


あそこまで自分勝手な条件で和解しろなどと言われて黙っている人間はいない


雪子が断るのも当然である





「は?」


弁護士と鷹取翁は目が点になった


まさか弁護士が負ける、いや交渉すら拒絶されることになろうとは思ってもみなかったからである


実に身勝手だと言える







しかし雪子が弁護士からの和解案を断ったのにも訳がある


「迷惑をかけたことについて謝罪したいと言っています」


などと開口一番でいう弁護士くそやろうの言うことなぞ聞く必要はないのである






おまけに言った後、今までかけられた迷惑について何も言わないのだ


雪子が怒るのも当然であった






まあ、殺人犯を「無罪だ!」などと言う人種である


法律は良く知っている


だが常識は全然知らない


そういうことなので当然の愚かな行為であると言えるかもしれない





おまけに


「嫌がらせをすぐさま止めろ!(意訳)」


とまで言われたのだ






「は?!」


雪子の目は点になった


完全に冤罪だからである






雪子は言われた嫌がらせに心当たりがない


まったくない


晴天の霹靂であった





まあこれについては仕方がないといえる


古今東西、苛めっ子からの謝罪の場で必ず繰り広げられる愚行である






自分に都合の悪いことはすべて相手のせい


証拠がなくても構わない


なにせ今現在トラブっているのは貴様だけ


状況証拠から貴様以外にいない


違うと言うのなら犯人を差し出せ!





・・・もう家に帰っていいかな、である







自分を中心に世界が廻っている


自分が正しいと判断したのならそれが世界の常識


本当にそう思っているのだから驚きである


・・・実に残念な人々であった







ホテルで騒ぎを起こした小娘が警察に捕まったのを後から手を廻して釈放させた?


その公私混同を週刊誌にすっぱ抜かれて警察署の署長のキャリアが僻地に飛ばされた?


おまけにその上まで余波が及んだ?


鷹取家と警察は大打撃


どうしてくれるんだ!





そう言われても雪子には全然心当たりがなかった





いやそういえばホテルに突撃していた変な人がいたような気がします?


騒いだので警備員に連れ去られたような気がします?


一瞬そんなことが頭に浮かんだ





だが絶対に私は無関係ですよね?


雪子はそう思ったのも当然である


いや関係があるというのは完全に言いがかりである






「は?わたくしやっていませんわよ!?」


そう言うのも当然であった





そうしたら逆に驚かれた





いや逆に驚いているのはわたくしですわよ!?


とは雪子の言である







まあこれもイジメっ子の謝罪の場である定番のイベントである


いつのまにか加害者と被害者の立場が逆転する


そして被害者が逆に強制的に謝罪させられる


どこまで世界は自分中心で廻っているのかと勘違いしているのかと言いたい


・・・これがジャイアニズムというやつである





まあ以前の雪子ならば負けていただろう


いや世の中の虐められっ子は絶対に負けていただろう





だが今の雪子は負けなかった


冷泉院巌ちちやおからの教育せんのうの賜物である


・・・それならばもっと早く教育してイジメさせられないようにしろというツッコミはなしである






雪子は今回の一件もリアルタイムでしっかり手帳にメモした


弁護士の目の前で書いた


書きまくった





本来ならば弁護士は止めるべきである


さすがに躾の届いている弁護士いぬは雪子が書くことを止めることができなかった


・・・所詮は常識知らずの法律野郎である






弁護士としては正しい行為であるが人としては間違っている


しかし残念なことに気が付かなかった


これが俗に言う法律バカというやつである




大事なことなので二度言った!、である







動けば動くだけ沼に嵌る


所詮頭でっかちの似非エリート様(笑)なぞこの程度なのである




大事なことなので三度言ってみた






もちろん隣で見ているだけの雪子の師匠も内心で呆れていた


年齢は伊達ではないのである


歳若い人生の経験不足の弁護士なんてオムツをつけた幼児であった


・・・人間、自分のことを知らないということは幸せなかもしれなかった







話を元に戻す






雪子としては弁護士の和解にのらなくても全然問題がないのである


理不尽な行いによる怒りというのは金程度では解消されないのである


眠れない夜を過ごした屈辱が金で解消できると考える弁護士の方がバカなのである





なにせ掛けられた迷惑については詳細にメモしてあるのだ


おまけに現在進行形でメモが増える


勝ちは確定していた





それなのに下手に話しをして


『被害者が加害者にジョブチェンジ』


などという転職技を食らわされる必要はないのである





まあ世の中の苛めっ子の大半はそのバカ技を食らっているというのが現実である


実に愚かな選択である




世の中の虐められっ子は少しは雪子を見習うべきであった

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