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灰色景色  作者: 焼ミートスパ
第三章 記録景色
45/107

45 雪子、取り囲まれる

「貴方のせいでとんでもないことになったじゃないっ!」


雪子は三日連続で突撃されていた


今度は4人に増えていた





頭悪すぎですわ


雪子はそう思った


実際にそうである





だがあえてここで突撃する方の言い分を記すことにする


あまりにも非常識なので誤記があるかもしれないし、人として理解できない個所があるかもしれない


理解できないと感じたら次話へ飛ぶことを予めご了承願いたい





まず初日に突撃してきたのが雪子のクラスメイトの田中花冠♀である


花冠と書いて『ティアラ』と読む


いわゆるキラキラネームというやつである





いやキラキラ以前にどうやっても読めないだろうというのが聞いた人間の正直な感想であった






彼女がこんな名前になったのも訳がある


母親の強い希望であった



田中という名字は平凡である


だから名前くらいは目立つように、との願いであった




・・・人としては全く理解できないものである




まあ母親は常に人より目立つことが生きがいなのである意味当然の結果であるといえた




実は花冠ティアラの母親は元アイドルであった


正統派ではなく顔の可愛さを売りにしていたアイドルグループの方である





大人数グループであるために他のメンバーよりも少しでも抜きんでる必要がある


それは結構大変なことである


だがSNSが普及した現在、即反応があるというのはモチベーションを維持するのに最適であった


また承認欲求を満たすことに最高の存在意義を感じる嗜好があった


そのため本来の積極性もあってマスコミにかなりの頻度で露出できた





またアイドルを卒業すると仕事が極端に減ることを先輩達の人生から学んでいた


そのためアイドル中に結婚相手を探し、見事にIT会社の社長をゲットしていた




その成功体験があるゆえ娘の名付けに熱が入った


それゆえの花冠ティアラである




はっきりいって残念な名前である


当然そんな名前を付ける母親であるから常識は世間とかけ離れていた





また普通に考えるならば父親であるIT会社社長が止めるだろう


でも残念なことに止めることはなかった




王冠の祖父母、叔父叔母親戚以下同文である


昔ならば誰かが止めていただろう


いやそれ以前に大切な我が子の名前だ


もっと大切にしていただろう




ところが現在は


「他人に迷惑をかけていない」


あるいは


「人の家庭に口出しするな」


などとフザケたことを言って逆切れするのがオチであった




実に残念な時代になったと言える






まあそんな子供がマトモに育つわけがないのである


それゆえイジメに走るのは当然であった





もっとも今回は運が悪かったといえる


相手が冷泉院であった




雪子のイジメを知った冷泉院巌ちちおやは共和学院への寄付を止めた




学校の施設というのは意外と金がかかるものである


一教室の蛍光灯を一日付けておくだけで数万円である


それが各学年ごと、小中高大学ごと、野球場、サッカー場、体育館等々あるのだ




必要なのは電気代だけではない


水道代、暖房代、土地の税金、部活の道具代等数え上げればきりがないほどである


授業料と国からの交付金だけでまかなえるものではない






共和学院はその不足分を寄付で賄っていた


ところがその寄付の大手の冷泉院が手を引いたのだ





その分の負担は当然のことながら虐めていた生徒の親の所に請求が来た





最近はやりのIT企業とはいえ所詮はスマホソフトの成り上がり


派手そうに見えて自由になるお金は少なかった





いや一般家庭よりは多いと言って良いだろう


しかしなんの得にもならない寄付金が毎月あるとなれば別である


しかもこれから延々とあるのだ


おかげで生活が厳しくなっていった





自業自得ではあるが当然ことながらそんな常識は田中家には通じなかった


自分の娘を叱るどころか逆に家族揃って逆恨みしていた


・・・ある意味似た者同士といえた





家族からの賛同もあり花冠が雪子へ突撃するのも当然の行為であると言えた

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