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冒険者ギルドの受付担当は異世界転移者  作者: 猫乃 縁子
第0.5章-前日譚-異世界就職
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0.5-7魔導具の鑑定が続く

 ディアンの見かけ上のステータスに関してフィルと協議を重ねた結果、以下のように再隠蔽した。



『死神の外套

意思を持ち酷暑や極寒にも耐えうる竜皮製の外套。神器級(ゴッズ)

付与:自動調整、自動防御、切断不可、貫通不可、周辺警戒、余剰魔素微速吸収、絶対防汚、意思疎通。

所有者:アメリ』

『亜竜皮の外套

暑さや寒さを軽減する亜竜皮製の外套。最上級

付与:自動調整、防汚(弱)

所有者:アメリ』



 私はふと気になって「ねぇディアン、貴方には切断不可や貫通不可が付与されているけど、それでどうやって縫製したの?」


 『竜皮素材の段階では切断や貫通が可能である。付与は仕上げ段階で発動されるので問題ない』


 「なるほどねぇ、因みに自浄や防臭は付与されていないけど、肥溜めに落としたらどうなるの?」


 『…主、余り恐ろしいことを云わないで欲しいのだが、絶対防汚があるので自浄も防臭も必要ない』


 汚れないし臭いもつかないが嫌なものは嫌らしい、穢れの概念があるのかな、綺麗に洗った使用済み検尿コップで飲み物を飲みたくないアレ。



 開きっぱなしになっている魔法の筆記帳に、

『最優先確認事項

△1.私アメリ自身の拙さ、能力?

◯2.ディアン、神器級(ゴッズ)

 3.その他魔導具(マジックアイテム)、一般的なものとどの程度違うのか?

 4.文化?文明?の状態、発展度合い。

◯5.お風呂は存在するのか?』と、記号を書き入れて、冷めたフライドポテトをパクリと一口。


 フィルも紅茶を飲み「えーと、次は…魔導具(マジックアイテム)かしら、どんなのがあるの?」

「あぁ、取ってきますね」サッと小部屋にある魔法のトートバッグを持ってくる。

 「えぇと、色々あるんですけど…」「取り敢えず武器になりそうな物は何が?」「武器ですか、うーん…」と、魔法の筆箱からカッターナイフ、魔法の布袋から爪切りとムダ毛処理用の小鋏と直刃の剃刀、最後に十徳ナイフを取り出す「こんなとこですかねぇ、鑑定さんお願い」



『折刃式カッターナイフ

幾ら刃を折っても刃が伸びる小型のカッターナイフ。遺産級

付与:自動修復』

『爪切り

切った爪が絶対に飛び散らない爪切り、爪ヤスリ付。遺産級

付与:自動修復』

『小鋏

毛切用、絶対に皮膚を傷つけない鼻の中も安心な小鋏。遺産級

付与:自動修復』

『折畳式剃刀

絶対に剃刀負けを作らない肌に優しい直刃剃刀。遺産級

付与:自動修復』

『十徳ナイフ

木柄の十徳ナイフ。遺産級

付与:自動修復

機能:ナイフ大、ナイフ小、コルク栓抜き、金属栓抜き、缶切り、リーマー』



 『魔法の』部分は隠蔽したが、説明文などはそのままである。


 フィルはそれらを1つずつ手に取りながら「遺産級(アーティファクト)のオンパレード…凄いわね。凄いんだけど、これだと小動物を狩って解体するのがやっとかしら。このぐらいなら同様の機能を持つ物が流通してるから大丈夫よ。念の為、遺産級→上級にして、付与を隠蔽しとけばより安心かしら」


 そう云われ、ササッと隠蔽を掛ける。「…あと、これとか大丈夫なのか訊いておきたいんですけど…」と、水源の魔導具と魔法の袋飴と魔法の箱飴を取り出し「鑑定さん、よろしく」隠蔽を解き、



『水源の魔導具

無限に清浄な水を生み出すコランダムガラス製の瓶。遺産級』

『魔法の袋飴

無限に魔力回復薬(エーテルキャンディ)(オレンジ味、レモン味、グレープフルーツ味、ハッカ味)を生み出す皮布袋。遺産級』

『魔法の箱飴

無限に魔力回復薬(エーテルタブレット)(ミント味)を生み出す木製の小箱。遺産級』



 「これら何ですけど」と取り出した物をテーブル中央へ。

フィルはまじまじ1つずつ物と鑑定さんの説明文を見比べながら「…いや…まさか…確かに…これは、さっきのなんて目じゃないぐらい…凄いわね…いえというか…」とぶつぶつ呟いている。


 私は私で、鑑定さんに「コランダムガラスって何?」『コランダムは無色のルビーやサファイアの事です、それをガラス容器として用いています。因みに所謂高級ガラスと云われるクリスタルガラスよりも更に高級な品です』綺麗な瓶だとは思っていたがまさかの宝石だった…

 「鑑定さん、もう一つ、魔力回復薬(エーテルキャンディ)魔力回復薬(エーテルタブレット)って何?」『魔力回復薬(エーテルキャンディ)は、舐めている間、魔力の自然回復量が倍加します、重複使用は2つまでで4倍になります』『魔力回復薬(エーテルタブレット)は、1粒で即時魔力を10回復します。食べ過ぎるとお腹が緩くなることがありますのでお気をつけ下さい』お菓子やエチケット用品が薬になってしまっていた。


 フィルは難しい顔で「アメリちゃん、これらは流石に規格外も規格外だわ。先ず水源の魔導具は南東の砂漠地方に持って行ったらそれこそ無限の富を生むわよ。それに魔力回復薬、こっちの方が危険度が高いんだけど、この品質ならどの国の軍隊だろうと何ギルドだろうと魔導研究所だろうと産業工場だろうと冒険者だろうと何だろうと、全ての魔力を用いる連中が欲しがるわ。…これが無限に流通したら革命だけど、少なくとも現状の魔法回復水薬(マジックポーション)は駆逐されてしまうし、…そして一番拙いのは各国間の軍事バランスが崩れるわ」と言い切る。


 「「………」」2人の間に重い沈黙が落ちる。芋と紅茶はとっくに冷め切っていた。


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