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冒険者ギルドの受付担当は異世界転移者 作者:猫乃 縁子

第0章

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序章前編


 其処は只、只々白い空間だった。自分が今、浮いているのか、寝そべっているのか、立っているのか、座っているのか、なにもわからない。

『おめでとうございます、貴女は死んでしまいました。今後の選択肢は幾つかありますので、オススメ順に提案します』

 唐突に声が聴こえてくる、空間に響いているのか脳内に響いているのか理解らない。
私は当然の反応として「………は?」と声を漏らしていた。

『次の中から一つ選んでください、1.異世界転移、2.輪廻転生、3.天上の楽園、4.地獄巡り、となっています』

 響く声は止まらない、故に私は「……え?」と。

『それだけでは決めかねると思いますのでそれぞれのポイントを説明します。
地獄巡りは、永遠の責め苦を背負いながら魔軍の尖兵として戦い続ける。
天上の楽園は、天軍の一番槍として戦乙女となり死に続け殺し続ける。
上記二つの軍勢に、終わりはありません、永遠に続けていただきます。
続いて輪廻転生ですが、大凡何年後かというと、、、
あれ?すいません、どうやら次の輪廻が巡るよりも先にこの宇宙の寿命が来るようですね、
これは無かったことに。此処までのところは宜しいですか?』

「(あ、会話成り立つのね)……はぁ、まぁ…」

『最後に一推しの異世界転移を説明致します』

「あの、ちょっと宜しいでしょうか」

『はい、ご質問ですね、どうぞ』

「アナタは、誰ですか?」

『神でも、仏でも、最終防衛システムでも、上位セーフガードでも、お好きな様に呼称していただいて結構です。』

「此処は、何処ですか?」

『何処でもありません』

 私は、混乱していた。理解できない話ではないが、理解が追いつかない。
「あの、とても話しづらいんですが…?」などと宣っていた。

『そうですか、では眼を瞑って、落ち着く空間を想像してみてください』

 その様に云われて、私は眼を瞑り深呼吸一つ、行きつけの喫茶店の、いつもの座席を想像した。

「これで宜しいでしょうか?」と、正面から声が掛かった。今までの何処かから響いていたのと同じ声だが、指向性を得てより優しくより柔らかい声が耳を打つ。

 恐る恐る瞼を開くと、其処はいつもの喫茶店のいつもの席だった。
机を挟んだ対面には、微笑みを浮かべた銀髪金眼で目鼻立ちの整っている猫のような少年が座っていた。

 未だ落ち着かないが、反射的に周囲を見廻してから「あの、えっと、初めまして」と戸惑いながら頭を下げた。

 少年もニコニコとしながら周囲をとても楽しげに見回して「うん、初めまして。さて、では説明の続きをしようかな。と、その前に此処は飲食物を提供するお店なのかな、何か注文してくれるかい?」

・・・

・・



 私には珈琲とモンブランが、少年には紅茶と苺のショートケーキが運ばれてきた。
少年は目を輝かせている、そして伺うように此方を見てきたので、一つ頷いた。
 少年に続いて、私も珈琲を一口、あぁこの味だ、変わらないいつもの苦さだ。
少しだけ、ほんの少しだけ落ち着いた気がした。

 少年は瞬く間にケーキを食べ終わり、優雅に紅茶を飲みながら「さて、では改めて説明の続きをしよう、異世界転移とは、貴女の肉体や精神を維持したまま、此処ではない宇宙の此処ではない星へ、移って貰う。その世界は、えっと此方で云う中世の欧州に似た世界で、差異としては魔法・魔物などが存在している、所謂剣と魔法の世界だよ。」

 私は顔を引き攣らせながら「魔物…ですか…」と呟く

 少年は続けて「この世界のように大規模な戦争は、未だ起こっていないけれど、この国の『安全』に比べれば、個人の危険度は確実に増すだろうから、頑張ってね。」

 眉根を寄せて「頑張るんですか…」と。

「まぁ、とは云え、このまま転移させても数日生き延びるのがやっとだろうから、幾つか贈り物をするよ。
向かう先で使われている言葉を理解する為に読み書きや会話を今現在の母国語と同等程度にする言語技能と、人や物を調べる鑑定技能と、基本的な生活魔法と、最後が無限収納、この4つが標準仕様、もう1つ2つの技能を贈ろうと思うんだけど、どれがいいかな?」そういいながらA4ぐらいの大きさの紙をこちらに差し出してきた。

 其処には小さな文字が箇条書きになっていて、沢山の技能が書かれていた。
『近距離』
・剣術  ・短槍術
・斧術  ・盾術
・近接格闘 ・ナイフ技能
・etc

『中長距離』
・槍術  ・大剣術 
・弓術  ・銃技能
・etc

『魔法、魔術』
・属性魔法(火or水or土or風or光or闇)
・錬金術  ・召喚魔法
・時空魔法 ・探知魔法
・隷属魔法 ・捕獲従属魔法
・死靈術  ・結界魔術
・etc

『その他』
・採取、採掘、採集。
・即死回避。
・毒、麻痺、石化、無効。
・冶金、鍛金、彫金。
・解体、解剖。
・分析、分解。
・etc

・・・

・・



 余りにも細かく沢山書かれているので、眼がチカチカする
「あの、あまりに膨大なので、説明して貰っていいですか」

「ははっ、全部を詳細に説明していたら、時間が幾ら有っても足りないね」

「では、その、オススメのものだけでも」

「じゃあ、その前に、大前提として、選択は転移で良いかい?」

 少しだけ、目を瞑り考える。
「…はい、地獄や天国は、ちょっと…」

「うん、そうだね、それなら、貴女は何になりたい?」

「何?えっと、それは職業的なものでしょうか」

「まぁ職業でもいいし、こうなりたいという願望や希望でもいいよ」

 今一度、目を瞑り考える。
「地球に…日本に帰る術は有りますか」

「残念ながら、時空魔法や転移魔術を用いても星間を超えることは出来ない。魔法や魔術はその星でだけ行使出来る力なんだ、例えるなら努力すれば地球上何処にでも転移出来るけど、しかし月には至れない。
そして絶対とは云わないが、同一時間軸に辿り着ける可能性は0に等しい。貴女の『今』は我々からみればほんの一瞬なんだ」

 絶望で表情が歪んでしまう、声を絞り出す
「…そう…ですか…でしたら、定職につき穏やかに暮らしたい…です…」

「ふぅむ、渡り人は英雄や勇者になることも可能だよ?」

「…いえ、争いは望みません…」

「定職につくだけなら、鑑定技能を用いての各種鑑定師や無限収納を用いての商人や輸送を生業にするならすぐにでもトップレベルの活躍が出来るよ」

「トップレベル?それは向こうにはそれらに比肩する技能が無いということですか?」

 あっけらかんと少年は告げる
「うん、無いね、超々高精度の鑑定や重量容積無制限で時間停止機能付きの収納魔法なんかは、渡り人だけのものだ」

 思わず頭を抱えてしまった、これは拙い、このままでは拙い。
 初投稿です。
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先ずはのんびりと展開していきます、今後ともお付き合いくださいましたら幸いです。
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