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忘れかけた設定にガードされるとは!

 桜の下で火花を散らす攻防。

 そんな火花が見えない先輩は静かに花見に興じていた。

 春の陽射しが花の影を先輩に落とす。


「……桜花今ぞ盛りと人は言へど我は寂しも君としあらねば」


 ふっと先輩の口からそんな短歌っぽいものが漏れる。幼馴染は動かない。あたしは動く。


「先輩、すごい文学的です!」


 そう手を叩いたら、先輩が微妙な顔をする。


「一応、文芸部なんだが」


 しまった! 先輩ばかり見てて、忘れかけた設定にガードされるとは!

設定を忘れてはいけない。

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