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ダメなんです
別れた彼女を病院に訪ねた。
「なんで?」
ベッドの彼女は記憶よりもずっと痩せていた。
「見ないで」
抜けた髪に黄疸の浮いた肌。別れから彼女の過ごした時間を物語っていた。それを隠すように彼女は毛布を被る。
「だから別れたのに」
一方的に別れた彼女が部屋を出ていって、気づいた事を言った。
「ダメなんです」
縮こまる彼女の背中に言った。
「あなたじゃなきゃダメなんです」
返事を待つ。
毛布の下の涙が絶えるまで、返事を待った。
別れた彼女を病院に訪ねた。
「なんで?」
ベッドの彼女は記憶よりもずっと痩せていた。
「見ないで」
抜けた髪に黄疸の浮いた肌。別れから彼女の過ごした時間を物語っていた。それを隠すように彼女は毛布を被る。
「だから別れたのに」
一方的に別れた彼女が部屋を出ていって、気づいた事を言った。
「ダメなんです」
縮こまる彼女の背中に言った。
「あなたじゃなきゃダメなんです」
返事を待つ。
毛布の下の涙が絶えるまで、返事を待った。
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