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あたしの先輩のガードをほぐす
後輩のターン。
「おはようございます!」
「お、おはよう」
登校中の先輩を見つけて駆け寄ると、昨日のやり取りをバッチリ引きずった、ぎこちない挨拶が返ってきた。
けれどあたしは過去を振り返らない女。にこっと笑って先輩の後ろに回り込む。
「朝から暗いです。ほら、笑顔笑顔!」
「あ、やめ」
脇腹をこちょこちょする。弱いのか先輩は耐えられず、すぐに噴き出した。
「……敵わないな」
どうです? 強張ったガードもいつもぐらいにほぐれましたか?
シリアスからのラブコメ回帰。




