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私の幼馴染はガードが固い
幼馴染視点です。
「おかえり」
「……どうした?」
あいつが自分の家の前で待っていた私を見て驚く。
「後輩さんに何か訊かれたかなって」
「お前か……」
私の用件に苦い顔をする。あの娘の行動力は予想以上のようだった。
「話せた?」
黙る。けれどあいつはすぐに顔を上げて、私の目を見て誓うように告げた。
「いつか話すと言った」
私の幼馴染はガードが固い。二年前からそれをずっと解いてあげたかった。
たとえそれをするのが自分でなかったとしても。
後輩不在だとこうもシリアスな空気が流れるとは……。




