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十月に鳴く蝉

 十月に鳴く蝉の声は、相手の出ない電話のコールに似ている。

 そんな益体のないことを思いながら、あたしは窓の外の季節外れの陽射しを眺めていた。

 蝉は、相手が出ないなんて微塵も疑わない力強い声で鳴き続けている。


『ピーという発信音の後に名前とご用件をお話し下さい』


 電話を切る。蝉は鳴き続ける。

 あたしは留守番電話の録音機能みたいに蝉の声を聞く。


「諦めが悪いのか、それともただのバカなのか」


 電話のコールがまた始まる。

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