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あたしの先輩のガードがズルい
念願の先輩の部屋に上がったが、それどころじゃない後輩。
「どうしているんですか?」
自分の無許可来訪は棚に上げ、あたしは洗濯物を畳む幼馴染を指差して先輩を問い詰める。
「見舞いに来ただけだよ」
「だけでここまで?」
空のおかゆにむかれたリンゴ。あたしの一夜漬けは水泡に帰した。幼馴染の手によるものだ。
追求に困り顔の先輩を幼馴染がクスクス笑う。
「ここまでされても“だけ”なんでしょ?」
「お前は……!」
そこで体温計の音。
「……まだ熱が。少し寝る」
先輩のガードがズルい!




