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ピアノ弾き

この流れで全然別のものをぶち込んでいくスタイル。

「ピアノ弾き、思い出の歌を演ってくれ。忘れちまったが、こういう時に演る曲だ」


 ジントニックの爺さんがしわくちゃのチップを渡し、ピアノ弾きが昔の歌を弾き語る。


 バーに集まる

 いつもの顔


 映画スターを

 夢見るトムが

 物書き志望の

 ビルに言う


『いつかここから

 抜け出すさ

 酒もきっと

 死ぬまでには

 尽きている』


 ピアノを聴いて

 皆で孤独を呑むけれど

 独りで飲むより

 ずっといい


 爺さんはジントニックをもう一杯頼み、ピアノ弾きに手を上げた。

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