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あたしの先輩のオフェンスはたまにめっちゃ強い
「耳が冷たい」
部活終わりの先輩にくっついて駅までの道を歩いていたら、冬の夜風にあたしの耳は氷のように冷たくなった。
すれ違う人の耳あてを見て、あたしは先輩に冗談を言う。
「手で温めてくれませんか?」
いつものガードを予想していたあたしの耳に、先輩の手の温もりが突然触れた。
「はひょう!?」
驚いて思わずその手を払うと、先輩も驚いた顔をする。
「温めろって言ったじゃないか」
先輩のオフェンスはたまにめっちゃ強い。
寒波の街を歩いていて思いついたが、作者の耳を温めるのは己のこの手しかない……!




