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誰でも
「誰でもよかった」
そう言う彼女と僕は東京行きの電車に乗って駆け落ちをしている。
「あなた、私のこと好き?」
終業式に彼女は突然そう告げて、戸惑う僕の手を引き駅へと連れていったのだ。
「家から逃げられれば誰でも」
彼女は服をまくり、僕に青いアザを見せて寂しく笑う。
「酷いでしょ?」
「僕は君がよかった」
目を丸くした彼女の手を握る。
トンネルに入る。
黒く揺れる車窓の中で、握り返された手の熱さだけが僕達を支えていた。
「誰でもよかった」
そう言う彼女と僕は東京行きの電車に乗って駆け落ちをしている。
「あなた、私のこと好き?」
終業式に彼女は突然そう告げて、戸惑う僕の手を引き駅へと連れていったのだ。
「家から逃げられれば誰でも」
彼女は服をまくり、僕に青いアザを見せて寂しく笑う。
「酷いでしょ?」
「僕は君がよかった」
目を丸くした彼女の手を握る。
トンネルに入る。
黒く揺れる車窓の中で、握り返された手の熱さだけが僕達を支えていた。
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